世の中にめちゃくちゃたくさんあるじゃないですか。歪みエフェクター。
なので歪み系に関してはなかなか上手くまとめきれないように思っていたんですが、ここ最近の新製品を見ても当面はこの3台以上にグッとくるものは出てこない気がするので、個人的にベーシストにおすすめしたいディストーションベスト3をランキングにしてみます。
なお、前回のコーラス編と同様、「実際にベース用の製品かどうか」は選定基準に含めません。
【第1位】Darkglass Electronics / Microtubes B7K V2
私が実際に所有していたのは下位機種のB3Kの方だったのですが、最上位機種のB7K Ultraを試奏したり、友人のB7Kを貸してもらって使ってみたりした中で、最もバランスがいいと感じたのが現行型のB7K V2でした。
B7Kは、B3K(シンプルな代わりに音作りの幅が狭い)とB7K Ultra(2チャンネルの多機能プリアンプ)の中間に位置し、かつてはやや中途半端な立ち位置でしたが、V2に進化したことでローミッドとハイミッドの周波数切り替えスイッチを備え、上位機種に迫る幅広い音作りが可能となりました。
Darkglassの歪みは他にもありますが、現代のベース用歪みエフェクターの勢力図を完全に塗り替えたこの強烈すぎるサウンドには、やはり替えのきかない魅力があります。


【第2位】ZVEX / BOX OF METAL
ZVEXのハイゲインディストーションです。
まず、「メタル向けハイゲインディストーションをベースにかけると線が細くて使い物にならない」というイメージの方も多いでしょうが、Box of Metalは全く違います。
トレブルを上げることで得られる、どれだけ歪ませても失われない明瞭な輪郭は、B7Kと音のベクトルは違えど「ベースの存在感を削がないディストーション」としてかなり高得点なのではないかと思います。
また、ベーシストでノイズゲートを使ったことがない人も多いでしょうが、このキレッキレのノイズゲートは一度使うと病みつきになります。
騙されたと思って試してみてください。中古なら結構安く手に入ります。
誰に言っても「え?これ?ベースに?」みたいな顔されるんですけどこれはマジです。

【第3位】E.W.S. / Stormy Bass Drive
ミニサイズでボードに入れやすく、かつ的確なコントロールで音作りもしやすいこちらが第3位です。
いや、何というかこう使うほどに良いんですよこれ。
今回紹介した中ではぶっちぎりにシンプルなコントロールでありながら、慎重に実用性を吟味して設計されたであろうことが見て取れる扱いやすさで、ピッキングへのリニアな反応やトーンの効きの良さ、そして買いやすい価格も含め、多くのベーシストにおすすめできる一台だと思います。

ということで、ベースにかけるうえでおすすめのディストーションを3台紹介しました。
なんか「2位以外は普通のチョイスであんまり面白くない」と言われても文句は言えないんですが、とはいえやはりDarkgrass B3K/B7K特有のキメ細かいディストーションの存在感は他の追随を許さず、こんなブログで推すまでもないとはいえ1位しかありえませんでした。
なお、選外となりましたが、価格の安さを条件にするならBOSSのMD-2 Mega Distortionも候補の上位でした。

以前書きましたが、バンドサウンドの中でベースを歪ませるのは難しいもので、「目立ちたくて歪みをONにしたのに逆に音が引っ込んでしまう」というのは本当によくある話です。
その中にあって、今回紹介した3台は、比較的「前に出る音」を作りやすいディストーションと言っていいと思いますが、私がBox of Metalで「これだ!」となったように、ギター用かベース用かは関係なく、皆さんにも自分なりの一台が見つかればと思います。
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