【ネットミーム】コンプレッサーを母親にたとえた分かりやすい説明

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コンプレッサーの挙動を理解することや、人に説明することの難しさは誰しも感じたことがあると思いますが、たまたまTwitterで目にした画像が非常に分かりやすいと感じました。
この「Compressor is like your mother」あるいは「Think compressor as your mother」というネタは、海外のネットミームとしては何年も前からあり、国内でも以前から知られていたようです。
自分で人に説明するとき用のメモを兼ねて、コンプの各機能の説明の訳と解説をベーシスト的な観点から書き残しておこうと思います。

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コンプはオカンである

私が先日目にしたのが、こちらのツイートにあったmidisicの画像です。

ただ、同じようなネタは昔からあるらしく、遅くとも2016年頃には国内外で同様のミームが確認できます。
インターネット発のものですらないかもしれません。

で、ネタの初出を探していて見つけた中で、個人的に気に入った画像がこれです。

オカンやがな。
(※この写真自体は画像素材なのか何なのか、同じものがCDのジャケット等にも使われているのを見かけました)

この雰囲気で翻訳してみましょう。

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スレッショルド

スレッショルドは直訳すると「閾値(いきち)」。
辞書的な意味では、「反応を起こさせるのに必要な最小量の刺激」を指します。

コンプレッサーの挙動においては、「設定したスレッショルドよりも大きい音が鳴った時に初めてコンプが反応して音が圧縮されるよ」、そして「設定したスレッショルドよりも小さい音を鳴らした時はコンプは反応しないよ」とよく説明されます。
初心者には「なんのこっちゃ」という感じですよね。

このスレッショルドは、先の画像では以下のように説明されています。

-The level she asks you to turn the music down.
→オカンが「あんた音デカすぎやで!小さくしいや!」と言いにくる音量

テレビを見ている状況で例えるのが説明しやすいように思うので、以下、自分の部屋でテレビを見ていたら「音が大きすぎる」とオカンが怒りにくるというのをイメージしてください。

設定したスレッショルドよりも小さい音であれば、オカンは何も言ってきません。
しかし、音の大きさがスレッショルド(オカンブチギレ音量)に達した場合、オカンはその都度、毎回毎回「音デカいで!」と反応してきます。

仮にあなたが「静かな場面と音が大きい場面の音量差が激しいホラー映画」を見ていたとしましょう。
会話シーンなど、小さい音の場面ではオカンは何も言ってきません(軽いピッキングで演奏している時はコンプはかからない)。
ですが、大きい音が鳴った時には、その都度オカンが「音デカいで!」と反応してきます(強いタッチでバーンと弦を弾いた時だけコンプがかかる)。

これに対し、「常時音がデカいメタルバンドのライブ映像」でも見ていたのであればどうでしょうか?
この場合、オカンは「音デカい!音デカい!音デカい言うてるやろ!」とずっと怒りっぱなしということになります(ずっと全力でピッキングしているのでコンプは効きっぱなし)。

ただし、このオカンの行動は、スレッショルドの設定によって変化します。

スレッショルド(オカンブチギレ音量)を高く設定することは、すわなちオカンの性格を甘くするということです。
少々音が大きくてもオカンは何も言ってきません。
爆発シーンのようなよほどの大音量が出た時だけ「音デカいんちゃうかー」と反応してきます。

逆にスレッショルド(オカンブチギレ音量)を低めに設定すると、オカンの性格はかなりキツめというか神経質になります。
これにより、ちょっと音が出る場面になるたびに、「音デカいで!」「音デカいで!」と反応してくることになります(頻繁にコンプが動作する)。

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レシオ

レシオは「圧縮比率」を指します。
スレッショルドを超えた分の音量をどれだけ圧縮するかというコントロールです。

2:1(スレッショルドを超えた部分の音量を1/2に抑える)や4:1(同じく1/4に抑える)といった設定により、最大音量のピークを潰して音を圧縮します。
レシオを上げるほど音量は均一になり、バラつきを抑えることができます。
その一方、裏を返せば演奏の抑揚が失われてしまうとも言えます。

-How much you turn down the volume after she shouts at you.
→オカンに「音デカいで!」と怒鳴られたあなたがどれだけ音を小さくするか

これはスレッショルドと比べると分かりやすいですね。
オカンに怒られたので、一旦テレビの音量を小さくしなければなりません。
オカンブチギレ音量を超えてしまった部分の音量をどれだけ抑えるか、というのがレシオの調整です。

アタック

アタックタイムは、「スレッショルドの値を超えた音が設定したレシオに圧縮されるまでの時間」をいいます。

アタックタイムが極めて速いコンプであれば、よく言う「アタックの頭から音を潰す」に近いことが可能です。
このようなコンプの使い方をすると、シンセのように安定した音量で演奏できる一方、演奏の生々しさは失われがちです。
アタックタイムを遅くすると、ベースで言えば、音の「ガッ」というアタック感を残しつつ、余韻の部分を安定させることができます。

-How fast you react (after she shouts).
→オカンに怒鳴られてからあなたが反応するまでの速さ

オカンに「音小さくしいや!」と言われて、慌てて即座に音を小さくするか、「はあーい(めんどくせえなあ)」と一息おいて音を小さくするか、という感じですね。

リリース

リリースタイムは、「スレッショルドを下回ってから圧縮をやめるまでの時間」をいいます。

コンプの設定において難しいとよく言われるのがこのリリースタイムです。
リリースタイムが速ければ「音量を抑える効果がすぐに解除される」ということになり、抑揚の効いた音作りをしたい場合に有用と言えます。
リリースタイムが遅ければ音の繋がりがなめらかになります。

-How fast you turn the volume back as soon as she closes the door.
-How fast you turn up the volume to initial level after she close the door.
→お母さんが部屋を出ていってから音量を元に戻すまでの速さ

音を小さくする様子を見届けたオカンはあなたの部屋から出ていきます。
そのあと即座に音量を元に戻すか、オカンの足音が遠ざかるのを確認したうえで音量を戻すか、という感じですね。

べつにこのたとえを読んだからといって「なるほど!」とコンプの仕組みが理解できるわけではないと思いますが、一定程度「分かったような気がする」ぐらいのときに読むとかなりイメージしやすくなるというか、理解が深まるのではないかと思います。
自分ももうちょっと若い時期に知りたかったです。

コメント

  1. 匿名 より:

    わかりやすい!

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