前回の記事で、いわゆる超多弦ベース用の弦について書きました。
超多弦ベースは弦の情報だけでなく、チューニングに関する情報も多くはありません。
そこで今回は、あくまで一例に過ぎないものではありますが、私のチューニングについて書いてみようと思います。
7弦ベースの一般的なチューニング
まず、私が現在使用しているのは、Ibanezの7弦ベースを改造してフレットレス化したものです。
このベースのスケールですが、一般的なエレキベースの34インチより1インチ長い35インチとなっています。

音名の表記については前回同様、440Hz=A4とする表記により、レギュラーチューニングの4弦ベースの開放弦を低いほうからE1、A1、D2、G2としますが、この7弦ベースの出荷時のデフォルトチューニングはB0、E1、A1、D2、G2、C3、F3というものでした。
「4弦ベースの低音側に1本、高音側に2本の弦を足した」あるいは「6弦ベースの高音側にさらに弦を1本追加した」ベース、と考えると分かりやすいかもしれません。
これを「7弦ベースにおけるレギュラーチューニング」と呼んでいいのかは分かりませんが、このローBスタートのチューニングが最も一般的なようです。
このチューニングにする前提だと、買いやすいセット弦として、サウンドハウスでKen Smithの7弦ベース用セットが販売されています。
一音下げ+低音弦追加
しかし、私は現在ギターがドロップDチューニングのバンドに所属しています。
当然、ギターの最低音であるDの開放弦を多用するフレーズが多く、弾くのが大変です。
で、ベースの場合、最低音弦のみ1音下げるドロップDチューニングでは弾きにくいので、全弦一音下げチューニングにしようと思ったのですが、「いっそ低音域をもっと拡張しよう」と思いつき、全弦三音半下げチューニングにしてみることにしました。
「6弦ベースの低音側に弦を1本追加したローF#チューニングの7弦ベースを全弦一音下げにしたもの」とも言えます。
チューニングはE0、A0、D1、G1、C2、F2、A#2となり、最低音は4弦ベースの最低音E1のオクターブ下です。
エリクサーだけだと実現不可能
このとき私が使用した弦が、コーティング弦の定番であるElixir(エリクサー)でした。
ただ、エリクサー弦のレギュラー品は35インチのベースには長さが足りないため、エクストラロングスケール用の4弦セットとローB用弦を選ぶ必要がありました(この場合、現状ゲージの選択肢は一種類しかありません)。
さらに、ここにハイC用のバラ弦を加えます(これはスケール関係なく使用可能)。
また、エリクサーのベース弦は6弦用までしかないため、最低音のE0弦のみダダリオのバラ弦を使用しました。
F#0であれば、弦の太さは個人的に.145で十分だと思っているのですが、そこから全音下げるとさすがにテンションが緩く感じたので、.160
の弦を使用しました。
結果、弦のゲージは低いほうから順にこのようになりました。
・E0…160
・A0…130
・D1…105
・G1…085
・C2…065
・F2…045
・A#2…032
※当然ながらナットの溝に弦がはまりませんので、溝を拡張する必要があります。これに関しては素人作業の域を超えていたので、素直にリペアショップに依頼しました。
結果論ではありますが、35インチとこの弦ゲージ、チューニングの組み合わせは、若干柔らかめの弦テンションとなり、個人的に非常に弾きやすかったです。
自分の好みに対してやや明瞭感が足りない感はあるものの、やはりコーティング弦の長寿命は魅力です。
できれば全ての弦をエリクサーで統一したいところですが、最近のエリクサーは8弦ギター用の弦を発売したりしているものの、やはり超多弦用のベース弦の望みは薄そうですね。
【追記】
その後Ken Smith弦に乗り換えました。

コメント