個人的にエンヴェロープフィルターの真打ちと思っているエフェクターを紹介します。
歪みを内蔵した、さすがエレハモといった感じのえぐいエフェクターです。
電源はDC9Vアダプター(※専用アダプター付属)、電池駆動不可。
Bassballsの親玉?
以前、エレハモのNano Basballsについて書きましたが、Bassballsシリーズは小型化されてから新機種が出ていません。

実際、このEnigma Q-Balls自体、Bassballsの正式な上位機種という位置付けではないと思います。
が、歪みを内蔵した気色悪い音のエンヴェロープフィルターという点で、Bassballsのパワーアップ版と呼んでもいいかもしれません。
こちらの公式動画が特徴をよくとらえています。いやー素晴らしい。
コントロールの特徴
コントロールは、BLEND、ATTACK、DECAY、START、STOP、Q、SENSITIVITYの7つのノブと、MODEの切り替えスイッチです。
また、歪みをON/OFFするDISTORTIONのフットスイッチも備えています。
(※エンヴェロープフィルターの機能がOFFの状態で歪みだけをONにすることはできません。)
BLENDは、原音とエフェクト音のバランスです。
このエフェクターはQ-Tronシリーズと同様、ONにしたときに音量が上がってしまうのですが、このBLENDつまみのおかげである程度音量の補正も効きます。
MODEはLP(ローパス)、BP(バンドパス、HP(ハイパス)の3種類を切り替えるスイッチです。
フィルターを通さずに出力する帯域を選ぶコントロールなので、ベースで使うなら普通は低音を残せるLP一択なのですが、BLENDコントロールと組み合わせることで、一般的にはベースと組み合わせるには向かないBPやHPでも効果的な音作りが可能です。
ATTACKは、ワウのフィルターが閉じるまでの速さで、「ワウッ」という歯切れの良い音にもできますし、「ワウォ~~~~ゥン」というような音価を伸ばす表現も可能です。
DECAYは逆に、一度閉じたフィルターがリセットされてまた開くまでの速さで、下げるとフィルターが閉じてすぐに再度開くので、細かいスラップ等にも追従してしっかりワウワウいってくれます。
上げると、一度閉じたフィルターが再度開くまでの時間が長くなっていきます。
STARTとSTOPは、それぞれ「フィルターが動き始める周波数」と「フィルターが止まる周波数」です。
フィルタースウィープをスイッチで「UP/DOWN」のような感じで切り替えられるエフェクターは結構ありますが、ENIGMAならフィルターが動く向きだけではなく、周波数が高域寄りか低域寄りか、浅くかけるか深くかけるかまで自由自在です。
Qは、シンセでいうところのレゾナンスのコントロールで、上げるほどエフェクトが強烈になります。
そして、SENSITIVITYが入力感度で、楽器の出力に応じて調整することで、エフェクトの反応を最適化することができます。
操作にさえ慣れれば何でもできる
歪みの細かい調整はできませんが、内部トリマーでゲインの調整をすることが可能です。
当然、歪みのON/OFFによってフィルターの閉じ具合が変わってしまうようなことはなく、派手な歪みと鋭いオートワウサウンドを両立できます。
また、EXPRESSION PEDAL INPUTにエクスプレッションペダルを繋げば、ペダルワウとしても使うことができます。
以上、たくさんのエンヴェロープフィルターを試してきた中でも「最強だわこれ」と感じたエフェクターでした。
ちなみに、ギター用としてSTART/STOPの周波数帯と歪みの音色が異なるRIDDLE Q-BALLSもあります。
昔はかなり高かった気がするんですが、今調べてみたら新品の正規品でもだいぶ値下がりしているので、「これだ!」という1台がなかなか見つからないという人には絶対的におすすめです。
操作はやや難解ですが、その仕組みを理解していれば自由自在に使いこなせる、最強のエンヴェロープフィルターといえるでしょう。
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