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【激安7弦ギター】Inyen Vina / ISFF7-400

かつて縁のあったベトナムのInyen Vinaの楽器を数年ぶりに入手した不思議な経緯を前回の記事で書きました
で、自分でできる範囲の調整が一通り終わったのですが、久々ですねこの感じ。突っ込みどころが多い。
とはいえ実際コスパの高い楽器ではあるので、極めて正直なレビューを記録として残しておこうと思います。

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基本スペック

まずはとりあえずカタログスペックについてまとめておきます。
なお、使われている木材が別の代替材だったりしても特に驚きません。
安い楽器を買うにあたって「見た目かっこいいし何でもいいじゃないの」の精神は大事です。

ボディはマホガニー、トップ材は突き板のバールメイプル。
カラーは前回書いた通り、Harley Bentonと同じサテンブラックバーストにしてもらいました。
ピックアップはセラミックのハイパワーなものです。

ネックはメイプルとナトーの5ピース。
指板はローステッドジャトバとのことで、ジャトバ特有の妙に赤みが強い色合いよりは、見慣れた茶色にいくぶん近いですかね。

マルチスケール(ファンドフレット)かつリバースヘッドの7弦ギターで、スケールは25.5~27インチ。

ちなみにトラスロッドカバーにある「인엔사운드뮤직」というのは、「INYEN SOUND MUSIC」をハングル表記にしたもののようです。
(韓国語に訳したわけではなく、表音文字的な記載法と思われます。日本語で例えるなら、「music」を「音楽」と訳さずにカタカナで「ミュージック」と書くような感じでしょうか。)

ペグは裏から手で締めるタイプのロックペグです。
ペグとしての精度はそこまで良くありませんが、ロック機構は問題なさそうです。

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細かい箇所のレビュー

ここからはひたすら正直レビューです。
改めて明言しておきますが、自分はIYVの関係者でも代理店でも何でもないですからね。

・汚い

まあ分かっていたことですが、IYVに限らず、海外の工場で作られた楽器は出荷時点でかなり汚れています。
これは日本のメーカーの製品であってもそうです。
インドネシア製IbanezのB級品を安く買った時なんかも全体的にザラッザラでした。

このご時世というのもあるので、まずは丁寧に拭き掃除。
目立たない部分ですが、ペグボタンの裏側なんかもホコリがこびり付いていました。

また、弦交換の際にボディから弦を引っこ抜くと、大量のホコリがついてきました。
どういう製造環境/保管状態であれば弦ブッシュ内部にそんなにホコリが溜まるのか、逆に興味があります。

指板はフレットバターで掃除しました。
(※左が小さく切ったフレットバターの不織布、右が浮いた汚れを拭き取ったペーパータオルです。真っ黒です。)

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個人的にこういう「何が入ってるのか分からないクリーニング用品」はあまり使わないのですが、フレットバターは(すぐに拭き取るという前提の上で)今のところ問題になっていないので、手軽さを優先してときどき使用しています。
似たような製品でゴルゴマイトがありますが、あれは研磨剤が入ってる感じがするので自分は苦手です。

・金属パーツのハゲ

安物の金属部品は、普通にレンチで締めただけでメッキが剥がれたりすることがザラにあります。
扱いもそこまで丁寧ではないのでしょう、各所に色剥げがありました。

・打痕

本体木部にも、ぶつけたことによるものと思われる凹みがありました。
これはヘッド側面。

・塗装不良

上手く撮れなかったのですが、これはボディバックの塗装不良と思われるものです。
傷がついて凹んでいる様子ではなく、この点々と白くなっている箇所は平面よりも浮いているというか盛り上がっています。

・ボディトップ突板の割れ

ここまでは個人的には全然笑い話のレベルなのですが、一点、これに関してだけIYV側にフィードバックを行いました。
トグルスイッチの上側、曲面に薄い突き板を貼り付ける過程で割れてしまったのでしょう。
その割れによって生じた段差を放置して、そのまま塗装が行われています。

なお、これもクレームをつけるようなことはしておらず、「こういうことになってたから気を付けてね」という連絡をしたまでです。
(これに関しては「当該工程の担当部署に伝えておく」とのことでした。)

・ナット周りの粗さ

「たぶんナット弦高が高すぎて押さえにくいだろうな」と予想していたのですが、(丁寧な作業ではないものの)意外としっかり溝が切ってありました。
ただ、ナット周辺の工作精度にかなり難があります。
分かりにくいですが、このナットとヘッドの境目なんか、1mmぐらいの隙間が空いています。

また、トラスロッドカバーで隠れる箇所の作業が雑なのは大手メーカーでも珍しくありませんが、この粗さはなかなか強烈です。
なおこの箇所、ヘッド表面の不具合をカバーするためなのか何なのか、冗談抜きで塗装の厚みが2mm近くありそうです。
加えて、トラスロッドカバーのネジのところ、塗装が割れているのが分かるでしょうか。
おそらくちゃんと下穴を開けていないのでしょう。

あと、これはマルチスケールで顕著に問題になる点ですが、ローポジションを押さえたときに、高音弦側のナットのカドが左手に当たって痛いんですよね。
ナットと指板の境目になんか白いのがついてるのも気になりますが、赤〇印の箇所です。
ここは(もちろん1弦のピッチに影響しないように)丸みをつける加工が必要になりそうです。

・トグルスイッチの向き

これはまあ好みの問題、かつ楽器本体の不具合ではないですが、トグルスイッチの倒れる向きが好きじゃないです。
これはもうちょっと視覚的にリア・フロントと分かるような向きにしたいと思います。

・ロックペグに弦巻きすぎ

これも楽器本体の不具合では全くないですが、ロックペグの最大のメリットは「弦を何周もグルグル巻き上げなくて済む」という点にあります。
もちろん、弦固定の確実性の観点から、ロックペグであっても一定程度ペグポストに弦を巻く人もいます。
が、これは明らかに普通のペグと同じマニュアルに基づいて弦を巻いており、せっかくのロックペグなのにあまり意味がありません。

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調整後の使用感

という感じで値段相応な楽器ではありますが、弦を新品に張り替え、全体的にネジを増し締めし、一通りのセットアップをしたうえで弾いてみると、「思ったよりは良い」という印象でした。
トラスロッドは問題なく動くようですし、やや音詰まりが気になるポジションはあるものの、ブリッジ弦高の調整と合わせて一定の落としどころまで持っていけます(本当にダメダメなギターはこの域にも達していない)。

というわけで、これらの(あるいはそれ以上の)問題点があることを前提に、自己責任のもと購入するのであれば、おもしろスペックの安楽器として今なお十分に魅力的だと感じました。
気になる方は、前回の記事もご参照いただき、好みのタイプの楽器を探してみていただければと思います。

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