バリバリブチブチとやかましい、存在感抜群のファズです。
「ベース用ファズ」と紹介されているのを見たことがある人もいるかもしれません。
ただ、本来は「ギターだけでなく、ベースやキーボードにも使える」という製品だったはずです。
音色の特徴
このMASTOTRONは、ZVEXの廉価ラインである台湾製のVextron Seriesの一台になります。
ベースに使うとこんな感じです。いや素晴らしいんですよコレ。
コントロールの特徴
コントロールは、VOL、TONE、PW、FUZZ、RELAX⇔PUSHの5つのノブと、SUBSの3段階切替スイッチです。
VOLは音量、TONEは高音域の調整、そしてFUZZが歪みのゲイン調整という一般的なコントロールですが、それ以外のコントロールはなかなか独特です。
まず、SUBSのスイッチは、1→2→3の順に低音域が持ち上がります。
低音のブーストというより、サブオクターブ音を付加しているような感じで、シンセ風のファズになります。
聴感上の音量も上がります。
PWはパルスワイズ、音の波形の幅の調整です。
下げると一般的な矩形波(くけいは)で、上げると波の間隔が狭くなる…というのはシンセを触ったことが無い人には伝わりにくいんですが、パルス幅が変わることによる音の変化を無段階に調整できることにより、幅広い質感のファズサウンドが作れます。
RELAXとPUSHの調整は、入力信号のインピーダンスにあわせて調整するものらしいんですが、「PUSH側に回すと音のブチブチ感が強くなる」という音作り的な要素も強いです。
ノイズゲートのような効果も得られ、ミュートするとバツッと音が切れます。
これらの各コントロールが相互に作用することで、古臭い感じのナチュラルなファズから、ファミコンサウンド系のブチブチファズまで自由自在に音を作ることができます。
作れる音の幅広さが最大の魅力
以上、作れる音の幅が非常に広い器用なエフェクターでありながら、さすがZVEXと言いたくなるような破壊的な音も当たり前のように出せるという、非常に楽しいファズです。
そんなに高くもないですし、FUZZ FACTORYみたいにセッティングを誤ったら発振が止まらなくなるなんてこともないので、激歪み系のファズを1台持っておくならこれ、というぐらいにおすすめしたいエフェクターです。
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