BOSSのギター用ハイゲインディストーションです。
このエフェクター、個人的にBOSSの隠れた名機だと思っています。
そして、ベースに使ってもかなり良いです。
時代が求めたラウドな歪み
このMD-2が発売されたのは2001年。
1990年代中盤以降、いわゆるニューメタル(当時日本ではラウドロックとかモダンヘヴィネスなんて呼ばれてましたね)が世界的に流行し、従来のメタル的な歪みとは異なるラウドなギターサウンドが主流となる中で、BOSSが一つの回答として生み出したディストーションがMD-2だったのではないかと思います。
BOSSのディストーションをギターで比較した動画は多くありますが、これが分かりやすいです。
こうして比較してみると、BOSSの定番ハイゲインディストーションであるMT-2 Metal Zoneに対し、MD-2は粒が粗い歪みが特徴です。
ハイゲインながら人工的な感じが薄いオープンな音色で、音の分離も悪くありません。
悪く言うとエッジの鋭さに欠け、タイトさもやや足りないように感じられますが、ともかくいわゆる「メタルディストーション」と呼ばれるような、ドンシャリでゾンゾン歪む、粒が細かいディストーションとは傾向が違います。
ベースとの相性が良い
で、正直言ってしまうと、私はこのMD-2がベース用エフェクターを含めたBOSSの全ての歪みエフェクターの中で一番好きです。
音の好みはもちろん人それぞれですが、「ベースのバッキングで使えるディストーション」というのが1つのポイントで、こういうエフェクターは意外とないのです。
多くのエフェクターは、ベースの細かいスタッカートについてこれず、ミュートしたときに「ぶずんっ」と音が残ってしまうものがほとんどです。
それに対し、これは当時ベースマガジンか何かにも書かれていたことですが、MD-2は演奏に対するレスポンスが非常に良く、音を切ったときにきっちり止まってくれるのが非常に印象的でした(※ノイズが少ないという意味ではない)。
コントロールの特徴
コントロールは、音量調整のLEVEL、高域のTONEと低域のBOTTOMという2バンドのイコライザー、歪みを調整するDIST、そして入力ゲインのGAIN BOOSTの5つ。
まるでアンプのように、音量・入力ゲイン・歪み量を独立して調整できるのが大きな特徴で、GAIN BOOSTを上げてDISTを抑え目にすれば太さ重視、逆にDISTで歪みを上げるとエッジが効いたディストーションサウンドが作れます。
また、7弦ギターへの対応が強く意識されていたのか、ギター用ディストーションにありがちな露骨なローカット感がなく、これもベースに適していると感じた理由のひとつです。
2013年の動画で少し古いですが、BOSSの歪みエフェクターをベースでひたすら比較している動画がありました。
MD-2の出番は1:23あたりからで、セッティングのせいかいまいち美味しいところが出ていないのが残念ですが、音質の参考にはなると思います。
最近のBOSSはWAZA CRAFTシリーズで過去のアナログエフェクターの名機を復刻したりしていますが、一時期は新製品がデジタルばかりになっており、このMD-2は少し前まで「BOSS最後のアナログエフェクター」と呼ばれていました。
新品でもかなり安い部類ですし、中古品も結構流通しています。
万人受けはしないでしょうが、ハマる人にはハマるであろう、非常にコストパフォーマンスが高い一台です。
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