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80年代生まれの俺たちと謎のメロデスブーム

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大変雑な導入ですが、なんかこう、メロデスがまた来てる感じがあるので今書かなくちゃと思いました。
私は1985年生まれです。
世代が近い方なら一定程度共感していただけるであろう「メロデスと私」という話、そして個人的に今聴いてほしいメロデスの話をします。

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メタルは死んだ、というか死んでいた

私が音楽への関心に目覚めた頃には、ヘヴィメタルという音楽は流行りが過ぎて沈静化し、完全に過去の遺物でした。
と言い切ってしまうと、「そんなことはなかったぞ!」という意見もあるでしょう。
しかし、10代の私にとって、メタルは求めれば求めるほどに「古くなってメインストリームから外れたジャンル」でした。

例えばMETALLICAの大ヒット作にして歴史的転換点、ブラックアルバムこと「Metallica」が1991年。
90年代におけるその後のリリースは「Load」と「Reload」です。
これらは正統派スラッシュメタルの系譜から完全に外れた、後のグルーヴメタル(私はこれが好きになれませんでした)のムーブメントに連なる作品と言えます。

JUDAS PRIESTの「Painkiller」が1990年。
その後のRob Halford脱退から復帰までには実に10年を要し、Robは無名の若手とともにFIGHTやTWOで、従来とは全く異なる音楽性で活動したりもしていました。
他にも、IRON MAIDENからのBruce Dickinson脱退が1993年で、バンドに復帰したのが1999年といった例を挙げれば、正統派メタルの低迷っぷりが伝わるでしょうか。

国内に目を向けても、LOUDNESSは丸坊主になった高崎晃がインド路線に傾倒し、X JAPAN解散前のラストアルバムとなった「DAHLIA」は大半がバラード曲、聖飢魔Ⅱもポップな楽曲のイメージを強く残して1999年に解散。
馬鹿にしている人も多かったですが、「メタルを本気でやっている国産メジャーバンドはSEX MACHINEGUNSぐらいしかいなかった」というのは、真面目に語り継いでいくべき事実です。

私にとって、メタルはろくでもない人生を救ってくれた救済の音楽でした。
にもかかわらず、「メタルが好き」というだけで「ダサい」と後ろ指をさされる時代でした。
過去のハードロック・ヘヴィメタルの流行を実体験として知っているならまだしも、物心づいてからこの方、メタルが流行ったことなど一度もなかったのです。

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慟哭のメロディが火をつけた

そうした「メタル冬の時代」において、密かに萌芽していたのがメロディックデスメタルです。
そして、「Burrn!では何やら評価されているけど、こんなものを好きなのはやはり自分だけに違いない…」と思っていたら、日本における局地的な「メロデスブーム」の中心にあったバンドが徐々に知名度を上げていき、いよいよアメリカのバンドが影響元として北欧のバンドの名前を挙げるようになります。

あの時の、愛好するコンテンツが徐々に世間で認められる、最近の言い方をすれば「発見される」というあの感覚は、人生で初めてのものでした。
当時は「Melodic Death Metalなんていう英語は無い」と言われていたものですが、今や英語版ウィキペディアの当該ページがあることはもちろん、Melodeathという略称さえ一般化しています

先に書いた通り、自分たちよりいくらか年上の方にとってのメロデスブームは「過去に大流行を体感したメタルという音楽の復権」という流れにある出来事です。
他方、もう少し下の世代だと、1999年のデビューで衝撃を与えたSLIPKNOTを「最前線のメタル」として先に体験したうえで、事後的にメロデスを知った人もよく見ます。
しかし私にとって、私たち世代にとってのメロデスブームはまさに「人生初のリアルタイムのメタルの盛り上がり」だったわけです。

現在視点からの振り返り評価としては異なる向きもあるでしょうし、当時違う感じ方をしていた方もいると思いますが、90年代後半、私の周囲の肌感覚ではメロデスといえばIN FLAMESとARCH ENEMYの二強でした。
AT THE GATESは最終作「Slaughter of the Soul」を残した伝説のバンド的な扱いになっていましたし、DARK TRANQUILITYは2nd「The Gallery」収録の「Punish My Heaven」が突出して強すぎた印象があります。
CHILDREN OF BODOMは安定した人気を誇りましたが、音楽性がやや異なる文脈にありますし、むしろギターヒーローやロックスターが希少だった時代にAlexi Laihoの存在感が求められた側面もあるでしょう(なんと惜しい人を亡くしたのか、と思います)。

IN FLAMESとARCH ENEMYの作品群の特徴として、いずれも1曲目のイントロからメロディが暴発していた点が挙げられます。
自分は完全にIN FLAMES派でした。
キリがないので特に大好きだった象徴的なものを。

まず何はなくともStand Ablaze。

どうやったら思いつくのか分からない、Jotunの悲哀に溢れるリフ。

Embody the Invisibleの疾走感あふれるツインリード!

また、2002年のアルバム「Reroute to Remain」は「IN FLAMESがメロデスに背を向け始めた発端」的な悪名もありますが、個人的にはかなり聴き込んだ作品だったりします。

ARCH ENEMYで一番好きなのはBeast of Man。
イントロからの絶望感と光が差すようなメロディの対比がたまりません。
(こちらは公式にアップされていた再録のAngela Gossow版ですが、オリジナルの焦燥感はやはりJohan Liivaの独特なリズム感あってこそだと思います。)

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歓喜の(実質)IN FLAMES復活

とまあ、「泣きのメロデスで優勝!」な青春時代を過ごした身からすると、「最近はなかなかいいバンドが出ないねえ」と老害じみた発言の一つも出てきます。
IN FLAMESはすっかりオルタナ化して全くの別物と化し、ARCH ENEMYはドロドロ具合がすっかり抜けて小綺麗にセルアウト。
実際問題、メタルコアブームが一段落して以降はギターのツインリードによるハモリなんてものはさほど重要ではなくなってしまったわけです。
また、ギターソロを聴きたい人であっても、近年は従前以上に人間離れした超絶テクニックを重視する人も多いのでしょう。

そんな中にあって、IN FLAMESの元メンバーで結成されたTHE HALO EFFECTの登場は(一部で)大いに盛り上がりました。
1曲目に発表された「Shadowminds」は近年のDARK TRANQUILITYにありそうなモダンなスタイルでしたが、ギターソロでガッツポーズ。

そしてアルバムタイトルトラックの「Days Of The Lost」で完全に優勝です。
ハンマリング・プリングを多用してメロディの煽情力を際立たせる「あの」ギターです。

国産慟哭メロデス最高峰

そしてもう一つ、国内バンドとして触れておきたいのがVeiled in Scarletです。
リーダーのKeija(Ds)が作る楽曲群はまさに過剰の美学というか哀メロの暴力という感じで、ギターのハモリの重ね方が3度一辺倒ではなく、クラシック音楽からの着想が強く感じられるのも特徴です。
(※これは前任ボーカル時代の曲)

このVeiled in Scarletは、2000年代にクサメロの宝箱として国内メロデスマニアを狂喜乱舞させていたSERPENTの実質後継バンドです。
SERPENT時代はよりメロデスブームの影響が色濃く感じられる作風でしたが、そのSERPENT名義の廃盤アルバム2枚に収録されたKeija作の(すなわち大半の)楽曲を再録した2枚組アルバム「Reincarnation」がリリースされました。
実を言うと、私はSERPENTの「Lunar Eclipse」が全メロデスの中で一番ぐらいに好きなので、今回の再録は非常に嬉しいのです。

はい異臭騒ぎ!慟哭~!(語彙力が死んだ)
またメタルが死んでも俺たちはメロデスを聴こう!

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【追記】本家IN FLAMESも復活か?

とこんなことを書いていたら、2022年6月、IN FLAMESが突如(久々に)メロデス感の強い新曲「State Of Slow Decay」をドロップ。

ちょっとAT THE GATESみが強すぎると感じている人はやはり多いようですが、さすがに創業メンバーを含む元社員が総出になって長年の得意客を根こそぎさらいに来たとあっては多少尻に火がついた感じでしょうか?
この路線でアルバムもお願いしますよIN FLAMESさん。ただでさえChris Broderickの無駄遣いとか言われてんだから。

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