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【レビュー】KORG / MIKU STOMP

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「ギターでミクが歌う!」のキャッチコピーで話題になったエフェクターです。
発売当時はかなり話題になっていたのを覚えています。
ただ、先に言ってしまうと、ベースで使うにはかなり厳しいモノでした。

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コントロールの特徴

このエフェクターは、繋いだ楽器からの音声信号をトリガーに、内蔵された初音ミクの声を鳴らす、一種のギターシンセです。
この手の機器の大まかな仕組みについては、以前書いたこちらの記事のとおりです。

【解説】ギターシンセ・ベースシンセの仕組みについて(BOSS SYB-5を例に)
ベースに使ったエフェクターについてレビューを書き散らかしているこのブログですが、ギターシンセ関連についても書こうとしたところ、前提となる説明がかなりの長文になってしまいました。 ギターシンセに関して詳しく書かれたサイトやブログは、多くの場合...

コントロールは非常にシンプルで、発声を選ぶセレクター1つのみ。
使用できるモードは、Random 1、Random 2、Scat、Looh、Lahh、Ahh、Pahh、Nyan、Phrase 1、Phrase 2、Phrase 3の計11種類です。

Random1と2は、内蔵された1,000単語の中からランダムに単語を繋げて発音します。
バラバラの文字が適当に出てくるのではなく、不自然な箇所はあるもののある程度ちゃんと言葉として出てきます。
モード1と2では出てくる単語が異なります。

ScatはLoohやLahh等をランダムに繋げて発音するモード。
Loohは「ルー」、Lahhは「ラー」、Ahhは「アー」、Pahhは「パー」、Nyanは「ニャン」とそれぞれ発音します。
Nyanについては、音を伸ばすように弦を弾いても「ニャーン」とはならず、「ニャン」と短く音が途切れます。

Phrase1、2、3では、歌詞エディターで作成したオリジナルの歌詞を発音させることができます。
初期状態では「千本桜」の歌詞がメモリーされています。

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ピッチ検出の性能について

で、最初に書いた「ベースだと厳しい」という点についてですが、この動画を見ていただければ伝わるかと思います。
実際の演奏は1:37あたりから。最初は低音弦を弾いて、まともに検出しないという状態。
2:32からが高音域での演奏です。

ギターシンセや多くのピッチシフターがそうであるように、このミクストンプも低音域の検出に非常に弱いです。
ギターの低音域でさえなかなか厳しいものがあるので、ベースの低音域で使用するのはかなり無理があり、必然的にハイポジションで弾くことになります。

また、いわゆるポリフォニック(和音対応)ではなくモノフォニック(単音のみ対応)なので、鳴らさない弦をしっかりミュートしつつ、丁寧に演奏しなければなりません。
Nyanモード以外の各モードはある程度チョーキング等にもついてきますが、レイテンシー(弦を弾いてからの発音の遅れ)が「お前は10年前のピッチシフターか!」というぐらいのレベルで、使う上では弦楽器としての奏法にかなり制約が出ると言わざるをえませんでした。

入力信号のレベルが大きすぎるとPeakのLEDが点灯するのですが、入力が小さすぎると全く反応しない一方、大きすぎるとノイズが乗ります。
入力ゲインや最終的な音量の調整も全くできないですし、音色の微調整も不可能なので、一発ネタとして使うのならまだしも、真面目に楽曲に組み込もうとすると「前段にコンプやリミッターを置いて入力信号を安定させる」「後ろにイコライザーやディレイorリバーブを置いて音をなじませる」といった工夫が必要になるでしょう。

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このエフェクター特有の面白さ

とはいうものの、やはり「人の声が出るエフェクター」というのはそれだけで面白いです。
ミクストンプで音を出しながら楽器を弾いてみると、「人の歌声のように聞こえるビブラートのかけ方はどのようなものか?」というのが逆説的に理解できたりもしました。
歌詞エディターはiOS用のアプリしかなかったため、自分の環境では試せませんでしたが、新たな表現を試す上で非常に面白いエフェクターだと思います。

既に新品は流通しておらず、基本的には中古を探すことになるのですが、変なプレミアがついて当時の流通価格(13,000円ぐらいだった)よりかなり高くなってしまっています。
安く出ることもあるかもしれませんので、興味のある方は普段から探すようにしておくのがいいかもしれません。

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