ギター用ハイゲインディストーションの超定番、メタルゾーン。
その知名度の半面、「初心者メタルギタリスト御用達」みたいな言われ方もしています。
が、実は飛び道具としてはけっこう有りです。
音色の特徴
メタルゾーン、その名の通り本来的には「メタル用のハイゲインディストーション」です。
しかし、その「歪みすぎ」ともいえる強烈な音色と、強弱が全くつかなくなるほどのコンプレッションにより、メタルギタリストからは「音が引っ込む」「ごまかしが効きすぎて上達の妨げになる」と散々な言われようです。
ですが、その音色を別方向に活かして、ポストロックやシューゲイザーのギタリストが使っていたりします。
実際ベースに使ってみても、かなり音が引っ込む感じになります。
なので、ロック系のジャンルでバッキングで使うにはあまり向きません。
しかし、コントロールで多彩な音色が作れるので、使い方によってはなかなか面白いことができます。
コントロールの特徴
コントロールは、LEVEL、EQUALIZER(HIGH、LOW、MIDDLE、MID FREQ)、DISTの計6つ。
DISTが歪みの深さで、少し上げるだけでかなり歪みますが、飛び道具的に使うならグイッと上げてしまった方が面白いです。
LEVELは全体の音量調整です。
イコライザーは、HIGHが高音域に、LOWが低音域に効きます。
HIGHはギター用の高音域だけあって、かなり上の帯域に効くので、ブーストするとノイズがかなり出るのが欠点ですが、ジャリジャリした強烈なアタック音を出すことができます。
一方、LOWは低音域を補強できるのでベースに効果的か、というと正直そうでもなくて、ブーストすると音が飽和したような感じになってしまい、モサモサした抜けの悪い音になってしまうので、私はカット気味にして使うことが多かったです。
中音域のMIDDLEは、MID FREQのつまみでフリーケンシー(周波数帯)を選んで調整することができます。
範囲は200Hz~5kHzとかなり幅広く、これによって音に一番存在感が出る帯域をブーストすることができます。
私は、ノイズが出ないようにHIGHを少しカットしつつ、MID FREQを上げ気味にしてMIDDLEをブーストすることで、ノイズを抑えつつもガリガリしたアタック感を出す、というセッティングが気に入っており、よくベースソロで使っていました。
また、がっつり歪ませたうえでHIGHとBASSをブーストし、MIDDLEをカットしたドンシャリのイコライジングにすると、ファズ的な質感を得ることもできます。
完全にピッキングニュアンスもへったくれもない音になりますが、これはこれでシンセっぽくて面白いです。
ベースに使うとどうなる?
というところを踏まえて、MT-2をベースで使っている動画があったので見てみましょう。
「これはこれでアリ」という感じがしてきませんか?
正直、いかにも「エフェクターで強引に歪ませました!」という感じの人工的な音ではあります。
音抜けも悪いです。
しかし、特徴を上手く活かすことができれば面白い使い方ができるのではないかと思います。
【追記】
BOSSの「技 WAZA CRAFT」シリーズから、MT-2wが発売されました。
こちらはよりレンジが広い歪みが得られ、音も薄くならないので、正統派な使い方でベースにかけても面白そうです。
【関連記事:BOSSエフェクターのマジックテープ固定について↓】

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