ビッグマフ系のファズを多くラインナップする、アメリカのWren and Cuff製のファズです。
Electro Harmonixのロシア製ビッグマフの中でも、「BIG MUFF」の文字が縦長だった「トールフォント期」と呼ばれるものがあります。
TALL FONT RUSSIANは、その名の通りこのトールフォントのビッグマフを再現した製品です。
「本物」との比較
私はエレハモのBass Big Muffを愛用していたのですが、あるときそのベースビッグマフと、かつて販売されていたロシア製のビッグマフの実物を比較する機会がありました。

もともと「現行のベースマフとロシア製のビッグマフは音が結構違う」という話は知っていたのですが、実際に試してみると確かに違う。
音の傾向は似てるんですが、Bass Big Muffと比べると、ロシア製Big Muffの方が音が野太く、高音域がバリバリと暴れており、まあ悪く言えばとっ散らかった古臭い音だったんですが、自分はその音に魅了されてしまいました。
そこで、当時販売されていたいくつかのロシアンマフ系エフェクターを試した中で、その時聴いた「本物」の音に一番近いと感じたのがこのTALL FONT RUSSIANでした。
コントロールの特徴
コントロールはVOLUME、DISTORTION、TONEの3つ。
ビッグマフ系ファズのトーンコントロールの特徴については過去記事でも書いていますが、「絞ればひたすら低音モリモリ、上げれば低音スカスカ高音ギャリギャリ」というのが基本です。
で、こいつはTONEを絞り切ったときの低音が凄いです。
「ぶぼぼぼぼぼぼぼぼぼ!」という地響きのような音が出ます。
そして、TONEつまみを上げていくとジリジリした高音の歪みが加わるとともに低音が削れていき、全開にすると「ベリベリベリーーー!」というベースの役割を放棄した楽しい音を出すことができます。
ローミッドあたりの帯域の押し出し感が非常に強い歪み音なので、TONEの設定次第でベースらしい太さを残しつつも派手な音が作れます。
また、強く歪ませても立体感があるので、のっぺりした音にならず、楽器の特徴を活かした音作りができると感じました。
こちらの動画の1:42~でベースを繋いだときの音が聴けます。
同じコンセプトの他社製品と比較して
再現性の高いロシアンマフ系のエフェクターは他にも持っていたんですが、当時のエフェクターの個体差が凄いせいか、同じコンセプトのエフェクターでも製作の参考にした固体の違いで結構音が違うんですよね。
なので、「ヴィンテージの再現エフェクターが欲しい」と考えている方は、メーカー名にとらわれず色々比較してみるのがいいかと思います。

ちなみに、派生機種として音色の切り替えスイッチと接続順入れ替え可能なブースターを備えたSuper Russianというのもありますよ。
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