【おもちゃレビュー】狂気のフレッティング!アンパンマンギター

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子供に買ったおもちゃの楽器について、買う前に調べてみても楽器やってる人が真面目に書いたレビューが意外とないと感じたので、何かの参考にでもなればと思い、ちょっと記録を残しておこうと思います。
今回は第一弾として、アンパンマンギターを紹介します。
これはヤバいですよ。

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弦は4本

まずは全体像。

最近はいろんなギターがあるとはいえ、「ギター」といえば通常は弦が6本ある楽器です。
しかし、アンパンマンギターの弦は4本しかありません。
となると、ベーシスト的には「ベースやんけ!」とつっこみたくなるところですが、ナイロン系と思われる素材の弦が4本張ってあるさまはどちらかというとウクレレです。

なお、2つある穴にひもを通せばストラップのように肩から下げることもできます。

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ペグの問題

一般的な弦楽器同様、アンパンマンギターには「ペグで弦を巻き上げて音程を調整する」という仕組みが備わっています。
このペグはギアを介さないシンプルな構造。いわゆるストレートペグです。
一部のウクレレのほか、バンジョーもこのようなペグですね。

ギアがないという構造上、ギターに慣れ親しんだ人にとって、ペグの回転方向に戸惑ってしまうのは仕方のないことです。
ただ、その点を差し引いても弦を巻く方向がバラバラで無茶苦茶なため、弦の巻き上げで余計に混乱します。
これは購入後に一定方向に揃えるのが無難でしょう。

【※後日追記】新たに発売されたピンク色の現行モデルでは弦の巻き方向が改善されているようです。

また、「どのペグを回すとどの弦が動くか」というペグ配置も分かりにくいですし、このペグは音程を上げすぎると弦に引っ張られて勝手にペグが回転し、どんどんチューニングが下がってしまうという問題もあります。

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フレットがメジャースケール固定

このアンパンマンギターのフレッティングについて、「通常なら弦楽器のフレットは半音刻みなのに、これはフレットの位置が適当だ」というようなことを言っている人を見ました。
しかし、「適当」というのは誤りです。

アンパンマンギターは、開放弦から順に「ドレミファソラシド」のメジャー(アイオニアン)スケールが鳴るようにフレットが配置されているのです。
「全全半全全全半」のインターバルですね。

ちょっとでも理論をかじった弦楽器奏者なら、ここでこの楽器の難しさが分かるのではないかと思います。
半音刻みでフレットが打たれていないと、ギターやベースで慣れ親しんだ指の動きは流用できません。

別の問題として、このフレットを押さえた際のピッチは決して正確なものとは言えません。
さらに、ナット弦高が高すぎるため、開放弦(ド)に対し押弦時のピッチがシャープしてしまうというのも大きな欠点です。

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1オクターブ以降はフレットレス

アンパンマンギターは、1オクターブの範囲(ギターでいう12フレット相当まで)にしかフレットがありません。
それより上の音域は実質フレットレスです。
スケールが短いうえにフレットラインも無いため、この高音域でピッチをとるのはなかなか難しいです。

チューニングの概念がない

先に説明したフレットの件も問題ですが、さらにこの楽器、4本ある弦の太さが全部同じです。
そのため、「正しいチューニング」どうこうという概念を当てはめようとすること自体に無理があります。
色々試してみましたが、子供のおもちゃであることを勘案すれば、「4本の弦をすべて同じ音程で揃え、セーハで鳴らすことでデチューンによる音揺れを楽しむ」というのが最適解のひとつかと思います。

なお、チューニングを工夫すれば、こちらの動画のような演奏も一応可能ではあるようです。

とはいえ、演奏したい曲に応じたチューニングとそれに合わせた運指を編み出さない限りは、基本的にドレミファソラシドの1オクターブの範囲内で演奏するのが現実的ではないかと思います。

というわけで、真面目に考えると無茶苦茶な構造ですが、対象年齢3才以上のおもちゃを楽器として真剣に論じることが本来間違いなので、子供には好きなように触らせてあげましょう。
うちの次男(4歳)も気に入って遊んでいます。
「正しい音程を身につけさせる第一歩」みたいな用途には100%向かないですが、安いのでちょっとしたプレゼント等にはオススメです。

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