CAJがラインナップするパワーサプライのひとつ、DC・DC Station Ⅱです。
以前流通していたDC・DC Stationの後継機です。
私は旧バージョンを以前使用していたので、その比較も含めてレビューしていきます。
妙に早いリニューアル
このDC・DC Stationは、各DC出力をアイソレートするとともに、スイッチング電源アダプターを採用することで、消費電流の大きいデジタルエフェクターに対応したパワーサプライです。
従来から発売されている同社製のパワーサプライとして、「AC/DC Station」シリーズ(白いやつ)があります。
バージョンアップを繰り返しながら長年発売されているAC/DC Stationは、リニア方式の電源で出力できる電流の上限値が低いぶん、アナログエフェクターで音にこだわるプレイヤーに向けた製品だったと言えます。
それに対し、この銀色のDC・DC Stationは、昨今のデジタルエフェクターを多用するエフェクターボードに対応した製品であり、AC/DC Stationシリーズとは異なる視点のパワーサプライだと言えるでしょう。
旧型DC・DC Stationの全体的な特徴については、以前書いたレビュー記事をご覧いただければと思います。
さて、その旧型のDC・DC Station、「アダプターを振るとカラカラ音がする」というちょっと怖いことがありました。
私は一度返品交換してもらったのですが、交換後のものも同様でした。
まあ自分以外でこの点に言及している人を見たことがないですし、それとは全く関係ない可能性が高いですが、ともあれ1年強という早さで新型のDC・DC Station Ⅱが発売されたことになります。
旧型からの変更点
大きな変更点として、6口ある9V/100mA出力端子の供給電流が150mAに増加しています。
あとの2口は9V/500mAで変更なしです。
また、複数端子を1つにまとめてアンペア数をアップできるCurrent Doubler Cableと、電圧をアップできるVoltage Doubler Cableが付属します。
個人的にはこの手のケーブルによる昇圧はちょっと怖いというか、(別の製品ですが)異常発熱を経験したこともあったりするのであまり積極的に使おうとは思わないのですが、18Vで駆動できるエフェクターなんかがあるときに実際に試せるのは便利ですね。
そして、地味ではありますが個人的に非常に意義のある変更点が、付属アダプターのプラグ部分の形状がストレートからL型になったことです。
旧型DC・DC Station、「スリムな筐体で省スペースに電源供給」みたいな見た目してるくせに、アダプターのジャックが場所を取るせいでそのメリットが完全に殺されてたんですよね。
見てくださいこれ。一番左が電源アダプターの入力部です。
ここがストレートプラグだったせいで、エフェクターボード内でギチ詰めすることができなかったわけです。
まあ、実際のところパワーサプライとエフェクターは少し離した方がいいと思っているのでそれはそれで、という感じではあったのですが、現行のDC・DC Station Ⅱではその点が改善されています。
あ、あと今回の付属アダプターは振っても変な音しませんでした。安心!
実際に使った感想
気分の問題かもしれませんが、私は個人的に、無名メーカー製の安物パワーサプライはちょっと怖くて使いたくないと感じてしまうタイプです。
「別に有名メーカー製品であろうと今時は中国製だし大して変わらないでしょ」という意見もあると思うのですが、やはり一部の安いパワーサプライは「アイソレート出力と称していても、特定のエフェクターとつないだ時に妙にノイズが出る」という問題が実際に起こります。
一方、旧型から含めてDC・DC Stationではそのような問題が今のところ起こっていません。
また、(もちろんエフェクターが駆動に必要とする消費電流を満たしているという条件下ではありますが、)マルチエフェクターを繋いでも特に問題なく動かしてくれています。
安物パワーサプライよりは少し高いと感じるかもしれませんが、この省スペースでこの機能ということで、価格も含めたバランスが非常に良いと感じる製品です。
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