【レビュー】Custom Audio Japan / DC・DC Station

小型のエフェクターボードにアナログとデジタルのエフェクターを混在させるうえで必要になるのが、省スペースなアイソレート型パワーサプライです。
そのような機種は意外と少ない中、2020年、意外なところから新たな選択肢が登場しました。
それが現時点におけるCAJの最新型パワーサプライ、DC・DC Stationです。

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「独立型」「アイソレート」という言葉

エフェクター用のパワーサプライについては、「アナログエフェクターとデジタルエフェクターを両方ボードに入れる場合、独立型のパワーサプライを使わないとノイズが乗る」ということが広く知られるようになっています。
しかし、「出力が独立(アイソレート)したパワーサプライ」とされている製品でも、実際には物によって内部構造がかなり異なるようで、ノイズを防ぐ性能についてもピンキリです。
私は回路に関する知識が無いのでそのあたりは正直よく分かっていないのですが、電気関係に詳しい人と話すと、「各DC出力が本当に独立しているならVooDoo LabのPedal Powerぐらいのデカさにならないとおかしい」という趣旨の話を聞くことも多いです。

ともあれ、メーカーが「独立型」とか「アイソレート」と銘打っているものであれば、「少なくとも一定程度は」デジタル・アナログ混在によるノイズを防いでくれると考えていいでしょう。
このDC・DC Stationも、サイズ的におそらく簡易的なアイソレートパワーサプライなのではないかと思われます。

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AC/DC Stationとの違い

CAJが従来から製造していたパワーサプライといえば、「AC/DC Station」シリーズです。
このシリーズは、一貫して「トランス式のアダプターによって低ノイズを実現」という点を売りにしてきました。

【※トランス式アダプターとスイッチング式アダプターを比較した際の個人的感想はこちら↓】

【実験】パワーサプライの「トランス式」と「スイッチング式」はそんなに違うのか?
最近のエフェクター用電源アダプターや、パワーサプライの付属アダプターはほとんどが「スイッチング式」を採用しています。 で、少し前ですが「昔ながらのトランス式アダプターと現在主流のスイッチング式アダプターは何が違うのか?」という検証をしたこ...

ただ、AC/DC Stationはトランス式アダプターの特性ゆえ、供給できる電流は450mAまで。
さらに、独立式パワーサプライでもないため、デジタルエフェクターを含むエフェクターボードの電源としては不足感がありました。
従来のAC/DC Stationシリーズは、あくまでアナログエフェクターに電源を供給することを前提としたパワーサプライだと言えるわけです。
(※とあるブログが「DC・DC Stationの発売に伴いAC/DC Stationは生産完了」と記載していましたが、それは全くの誤りで、そもそもの製品コンセプトから別物と考えるべきです)

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これに対し、スイッチング式のアダプターを採用し、新たに独立式パワーサプライとしてラインナップされたのがDC・DC Stationです。
100mA出力が6口、500mA出力が2口と、合計8台ぶんの電源供給が可能となっています。
(ところで、全ての出力がアイソレートされているという違いはあれど、この出力構成ってFREE THE TONEのPT-3Dと全く同じなんですよね…)

また、500mAポートから出力される電圧がメーターに表示されるのも大きな特徴です。
商品説明には書かれていませんが、このメーター上の出力はジャスト9Vよりも高く、自宅で接続したときは9.57Vと表示されました。

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他のパワーサプライから乗り換えた理由

私が直近で使用していた電源は、Studio DayDreamのスティック型パワーサプライでした。

【レビュー】Studio Daydream / PEDAL AID 3 V3.5
エフェクターボード構築の都合上、パワーサプライを変更しました。 ボードのスペースを有効活用できる、スティックタイプのパワーサプライです。

そこから今回、CAJのDC・DC Stationに変更することにした理由は、より多くのエフェクターに電源が供給できることに加え、実は思ったより省スペースにできることが分かったからです。

DC・DC Stationの本体部分のサイズは、横幅197mm、縦34.2mm、そして高さが27mmですが、側面からDCケーブルを挿すという構造上、実際には縦5cm以上のスペースをとります。
しかも、アダプターを挿す入力ジャック(左端)とDC9V出力ジャックが同じ面に並んでいるため、正しい向きで使う場合はボードへの配置の自由度が意外と低いです。

しかし、このジャック面を上向きにし、せっかくのボルテージメーターが見えなくなるという犠牲を払えば、そのサイズは実質197mm × 27mm。
この立てて置く方式により、占有面積は大幅に小さくできます。
Pedal Aid 3でも215mm × 25mmで出力は6口でしたから、出力が8口あってこのサイズというのはかなりありがたいことです。

また、ノイズ面に関しても今のところ不満はありません。
手持ちのエフェクターの中で、パワーサプライによってはノイズがかなり気になるものがあったのですが、DC・DC Stationではその問題は発生しませんでした。

私も一時期そうでしたが、DC9V出力のうち6つが100mAまでというのは、エフェクターボードの構成によっては「ちょっと足りない」と感じるケースもあるでしょう。
とはいえ、国内のエフェクター関連製品における大御所のCustom Audio Japanが満を持して発売したデジタル対応のパワーサプライというだけあり、性能とサイズ、そして価格のバランスが非常に良いと感じました。
電源はしばらくこれで行ってみようと思います。
※なお、同時に発売された似たような見た目の小さい製品「HUB-6 ver.Ⅱ」は、アダプターの電源を5つに分岐するだけのものですので注意しましょう。

各通販サイトの価格はこちらからチェック↓(※商品名の関係で従来製品のAC/DC Stationが結果に表示されることがある点ご了承ください)

【関連記事】空いたジャックの蓋について↓

【トラブル防止】パワーサプライやエフェクターの空いた口にフタをする
特にライブハウス等の暗い環境において、ジャックがたくさんあるマルチエフェクターの背面にシールドを挿し間違えたり、パワーサプライのインプットジャックではなくアウトプットジャックにアダプターを挿してしまったりして「あれ?音が出ない!」というのは...

コメント

  1. Nanashi より:

    こんにちは、はじめまして
    私は今新しいパワーサプライを探していてこの記事にたどり着きました
    DC・DC Stationよさそうですね!とてもわかりやすいレビューで助かります
    一つ質問があるのですがFREE THE TONE / PT-3Dとこちらではどちらがおすすめでしょうか?記事内にもある通りほぼ同スペックで悩んでいます…
    ご意見お聞かせいただければ幸いです

    • bassfx より:

      こんにちは、コメントありがとうございます。
      最近はライブ活動を積極的に行っているでもないため、長期間使用の耐久性等は比較できないですし、歪みにこだわりのある方であれば微妙な音の違いなどもポイントになるのかと思いますが、その点もさして強いこだわりが無い…という前提にはなります。
      そのうえでどちらか、と言われると、個人的におすすめしやすいのはDC・DC Stationですかね。
      DC・DC Stationの方がだいぶ安いのもありますし、エフェクターボードの組み換えをする際にスペースを活用しやすいのはメリットが大きいです。PT-3Dを小さいボードに組み込んでいた時は配置を考えるのが大変でした。
      ただ、個人的にはこれまで使用してきた中でFREE THE TONEのパワーサプライはかなり信頼性が高いと感じているので(長期間使用しても故障や変なノイズの発生がない、ワーミーを動かせると公式に明言されている等)、ボードのスペースと予算に余裕があるならPT-3D、小さいボードに詰め込む派ならDC・DC Station、という感じでしょうか。
      何ともまとまりのない回答で申し訳ないです。

  2. Nanashi より:

    ご回答ありがとうございます!
    いえ、とても参考になります、自分は宅録で使う予定でスペースも問題ないので信頼性の高いPT-3Dにしようかなと思いました。貴重なご意見とても助かりました!

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