【実験】パワーサプライの「トランス式」と「スイッチング式」はそんなに違うのか?

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最近のエフェクター用電源アダプターや、パワーサプライの付属アダプターはほとんどが「スイッチング式」を採用しています。
で、少し前ですが「昔ながらのトランス式アダプターと現在主流のスイッチング式アダプターは何が違うのか?」という検証をしたことがあるので、その時のことについて書き残しておこうと思います。
※私は電気知識がないゴリゴリの文系ですので、全く専門的な話ではない点をご了承ください。むしろ何か間違いがあれば教えてください

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「トランス式」と「スイッチング式」

まず、よく分からないなりに知っていることを書くと、両者の違いはおおよそこんなふうに言われることが多いと思います。

トランス式アダプター

・交流電圧から直流電圧に変換する効率が悪いので発熱が多く、エフェクターを駆動するために出せる電流の容量が少ない(消費電流が大きいデジタルエフェクターやマルチエフェクターなんかだと動かせないこともある)
・でかいし重い
・日本向けの製品は日本の電圧(100V)でしか使えない

スイッチング式アダプター

・変換効率がよいのでトランス式よりも容量が大きく、発熱が少ない
・小さく軽く作れるが、高速でON/OFFを繰り返すという特性により、ノイズ(スイッチングノイズ)が発生しやすい
・だいたい100V-240Vに対応しており、コンセント形状さえ合えば海外でも使える

【※本記事での「ノイズ」というのは、よく言う「エフェクターのデジタル・アナログ混在によるノイズ」とは別の話であることにご留意ください。参考↓】

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トランス式アダプターを採用した製品の例

トランス式アダプターを採用している例としては、長年トランス式にこだわって製品のアップデートを続けているCUSTOM AUDIO JAPANのAC/DC Stationがあります。
現時点の最新バージョンであるAC/DC Station Ⅵの仕様を見ると、最大消費電流450mAとなっています。
アナログエフェクターを使うならこれで十分ですが、最近の多機能デジタルエフェクターだと1台だけで消費電流が数百mAになる物もあるので、そういうエフェクターには向きません。

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また、ちょうど先日、トランス式アダプターを採用し、なおかつ各出力独立型を謳うVivieのClear Power-Ⅵが発表されましたが、最近はそもそもトランス式アダプターを採用したパワーサプライの選択肢自体が少ないです。

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最近の主流はスイッチング式アダプター

これらに対し、スイッチング式アダプターを採用したパワーサプライは現状山ほどあります。
例えば最近非常に人気が高いVITAL AUDIOのVA-08 MKⅡはスペック上の総電流容量が2000mAとなっています。
数値的にはAC/DC Stationの4倍以上であり、かつ各DC出力が独立しているとのことで、デジタルエフェクターの駆動にも安心と言えそうです。

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で、ノイズに関しては、様々な商品がある中でスイッチング式と一口に言ってもピンキリでしょうし、最近はパワーサプライ本体がノイズ対策が施された設計になっているものも多いためか、スイッチング式でも大きな問題にはならず、「スイッチングのアダプターで全然いいじゃん」という考えの方も多いようです。

実際に体感した違い

というところで本題です。
私は、Early BirdのPower Distributor ver.1という、少し前に流通していたパワーサプライを所有しています。

【レビュー】Early Bird / Power Distributor ver.1
私が以前から所有していたパワーサプライです。 最近売られているパワーサプライとはちょっと方向性が違います。 しばらく使っていなかったのですが、久々にエフェクターを繋いでみて「良いなあ」と感じたのでレビューを残しておきます。

最近のパワーサプライのような独立出力ではないので、アナログエフェクターとデジタルエフェクターを同時に使用したりするとノイズが発生することがありましたが、このパワーサプライを使うことで得られるサウンドが気に入っていました。
数年前のデジマートマガジンのパワーサプライ特集にも掲載されていましたので、ご存じの方もいるかもしれません。

このパワーサプライに付属しているのは、12V出力のやたらとデカいトランス式アダプターですが、ミニサイズのパワーサプライ本体と比較して、その大きさが分かると思います。
これが本当にずっしり重くて、アダプターだけで重量約520g、電池を入れたBOSSコンエフェクターよりも重いので、ゆるい壁コンセントに挿してしまうと自重で落下することさえあります。

で、このパワーサプライに、別途用意した12V出力のスイッチング式アダプターを繋ぎ、同じ条件でアダプターだけを変えたらどう変わるのか?を検証したのです。

私が試した時の環境では、ノイズの大きさに関してはさほどの差は感じられませんでした。
違いとしては、トランス式よりもスイッチング式の方が、ノイズの周波数が高いので耳につきやすいというかなんというか、トランス式アダプターを繋いでいる時の「うーーーん」というノイズに対し、スイッチング式アダプターの時は「シーーーー」という感じ。

それよりも、エフェクターON時の出音に明確な違いがありました。
あまり抽象的な説明は好きではないのですが、スイッチング式よりもトランス式の方が「元気」「ハイファイ」「ハリがある」と形容したくなるような音になり、音が一歩前に出てくるとか、輪郭がはっきりするような感じがしたのです。
また、私は「デジタルエフェクターの音なんか電源で変わらないでしょ」と思っていたのですが、デジタルのピッチシフターでも同じく良い結果が得られました。

まあ、楽器本体やアンプ、エフェクターそのものと比べれば、電源が音色に与える影響はさほど大きくないかもしれません。
正直、小さい音なら何が違うのか分からないレベルだと思います。
とはいえ、「散々こだわってきたけどあと一歩良くしたい」というときに電源を見直すと、思いがけない結果が得られるのかもしれません。

先に書いたとおり、アダプターだけでなくパワーサプライ本体部分の設計も重要でしょうから、一概に「この製品はアダプターが◯◯式だから良い/悪い」ということも言えないでしょう(まあAmazonとかで売ってる謎メーカーの激安品は避けるべきだと思いますが)。
また、私の実験はトランス式・スイッチング式のアダプターを一種類ずつしか試しておらず、比較検証としては全く不十分です。

実際問題、スイッチング式アダプターは日々進化しており、高性能なスイッチング式アダプターは既にノイズ面に全く問題のないレベルに達しているようです。
詳しい方からは「楽器用として売られているスイッチング電源は値段のわりに低品質なものが多い、最近の技術の進歩が全く反映されていない」という話を聞いたこともあります。

ただ、私が今回言いたかったのは、電源供給の一部を変えるだけで如実に音に影響が出るという点です。
ぶっちゃけ電源関係に関してはオカルトめいた言説も多く聞かれますし、私自身どこまでこだわるべきかには明確な答えを持ちません。
メーカーが「DC出力のアイソレート(独立)によってノイズを抑えている」と言っているのも、実際の中身は製品によってピンキリのようです。

ただ、実際DCケーブル1本でも、(人によっては些末なレベルとしかいえない変化とはいえ)確かに音は変わります。
何を優先するか(持ち運びの利便性を取るか、音質の好みを取るか、価格を重視するか)という方針をある程度決めつつ、予算的に無理のない範囲でいろいろ試してみる価値はあると思います。

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