【解説】ギターシンセ用GKピックアップの仕組みについて

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ギターシンセサイザーを語る上で欠かせないのが、Roland独自のGKピックアップです。
これは、弦1本ごとに分かれたディバイデッド(divided=分かれた)ピックアップにより、弦ごとに独立して音を送ることができるというもので、これによってギターシンセ・ベースシンセの欠点の多くを解決することができます。
このブログでギターシンセ関連のレビューを書くのに先立ち、その仕組みについて簡単に説明しておきたいと思います。

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ギターシンセ・ベースシンセのデメリット

そもそもギターシンセ・ベースシンセとは何か?という点については以前書きました。

【解説】ギターシンセ・ベースシンセの仕組みについて(BOSS SYB-5を例に)
ベースに使ったエフェクターについてレビューを書き散らかしているこのブログですが、ギターシンセ関連についても書こうとしたところ、前提となる説明がかなりの長文になってしまいました。 ギターシンセに関して詳しく書かれたサイトやブログは、多くの場合...

こちらでも触れたとおり、エレクトリック弦楽器からの音声信号によってシンセをコントロールするには多くの難点があります。
その中でも最大の問題は、やはり和音が検出できないという点でしょう。
ギターやベースのピックアップでは、それぞれの弦が振動した音を拾ったあと、1本のシールドケーブルを通ってゴチャッとした音声信号が送られるため、シビアな音程検出が求められるシンセのトリガーには向かないのです。

ギターにおいて、コードを鳴らすことができないというのはかなり表現の幅が狭くなります。
また、間違えて隣の弦に触れてしまうだけで誤検出によるノイズが鳴ってしまうため、常に気を使ってミュートしながら演奏しなければなりません。
これはかなりの不都合です。

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各弦独立ピックアップという解決策

このような問題を解決するのが、GK-3などのGKピックアップです。
弦ごとに完全に独立したピックアップで拾われた音は、専用の13ピンケーブルを経由してギターからギターシンセに送られます。

GKピックアップと接続された13ピンケーブルの内部は、言ってみれば弦1本に対してひとつずつ設置された独立ピックアップに、弦の数だけシールドケーブルが挿さっているのと同じ状態です。
これにより、弦ごとの音声信号が混ざることなくギターシンセに届くという仕組みになっています。
(※ブリッジに内蔵されたピエゾピックアップを利用するものもありますが、基本的な原理は同じです。)

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GKケーブルについて

ちなみにこの接続に使用するGKケーブル、Rolandの純正品は長さが5mと10mの2種類しかないうえに結構高いです。
しかし、この13ピンケーブルそのものは独自規格ではなく、実はカーオーディオの配線に使われる汎用品なので、互換性のある3mのケーブルも存在しており、私も実際にそれを使っていました。

このGKケーブルですが、各弦独立ピックアップで拾った信号だけでなく、普通のピックアップで拾った信号(通常シールドケーブルで送られる、いわゆる「普通のギター・ベースの音声信号」)を送ることもできます。
Rolandのギターシンセを使う場合は、GKピックアップから配線されている13ピンジャックとギターシンセをGKケーブル1本で繋げばそれだけで完了です。

ただ、これにはデメリットもあり、GKケーブル1本だけで接続すると普通のピックアップで拾った楽器の素(す)の音がめちゃくちゃ細くなります。
これはまあ当然のことで、GKケーブルは一般的なシールドケーブルと同じ太さの中に13本も線が走っているわけですから、極細のシールドで楽器とアンプを繋ぐようなものです。
ギターシンセユーザーにはこの部分を嫌う人もおり、私が知るユーザーの多くはGKケーブルとシールドケーブルを両方繋いでいました。

また、仕組み上音を拾える弦の数は6本までというのも注意が必要な点です。
ギター、ベースとも6弦までなので、例えば7弦ギターには対応していません。
たまに7弦以上の多弦楽器でギターシンセに接続可能なものがありますが、だいたい以下のような仕組みになっています。

・GKピックアップを1基搭載しており、1弦~6弦だけがギターシンセに出力されるようになっている
・GKピックアップを2基搭載しており、「1弦~6弦の6本」と「3弦~8弦の6本」のように切り替えられるようになっている
・GKピックアップを2基と、それぞれから接続された13ピンのアウトプットジャックを2つ搭載しており、「1弦~5弦の5本」と「6弦~9弦の4本」をそれぞれ別のギターシンセに繋ぐような設計になっている

なお、GKピックアップの取り付けについては、取り付けの精度やセットアップ技術によって何と言うかシンセの鳴らしやすさが格段に変わってきます。
「安いサブ楽器にGKピックアップを載せてギターシンセ用に…」というのは良い結果が得られない可能性が高く、あまりおすすめできません。
私自身、ギターシンセを活用していた時期には大阪の専門店にセットアップを依頼していましたので、本気でギターシンセに興味のある方は取り付け加工にもこだわっていただければと思います。

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