MUSIC WORKSから発売され、ソフトケースタイプのエフェクターケースの定番となった、バッグンボードことEBBシリーズ。
私は2010年ごろから現在に至るまで、S、M、Lの各サイズを実際に購入して使ってきたので、メリット・デメリットあわせて解説してみます。
導入を検討している方の参考になればと思います。
エフェクターを固定して運ぶ
エフェクターケースについては、最近では「エフェクターボードを組んだ状態で固定し、すぐにセッティングできるように持ち運ぶもの」というのが当たり前の認識になっていると思います。
ハードケースならガバッと蓋を外して床に置くだけ、ソフトケースなら中からボードを取り出して床に置くだけ。
今時は若いプレーヤーでも当たり前のようにこれをやってますね。
ただ、このBag'N BoardやPedalTrain等が出てくる以前は、エフェクター用ソフトケースにはボードなんか付属していませんでした。
自作のボードにエフェクターを固定してソフトケースに入れる人もいれば、エフェクターをガチャガチャとソフトケースに入れて、現場で接続する人もいました。
なので、「エフェクターを固定した状態で運ぶケース」といえば昔はハードケースが完全に主流だったのです。
ハードケースか?ソフトケースか?
ハードケースでエフェクターを運ぶのは安心感がありますが、重いことに加え、ライブハウス等で人の機材にぶつけて傷をつけてしまうおそれがあるなどのデメリットもあります。
あとは、自分の車にぶつけたりしてしまうのも嫌ですね。
その点、ソフトケースの方が運搬が気軽ですし、移動中に人や物にぶつけないよう極端に気を使う必要もありません。
色々なメーカーからエフェクター用のソフトケースが発売されるようになりましたが、ケース・ボード自体の軽さや豊富なサイズ展開、そして入手のしやすさといった点で、現在もBag'N Boardは根強い人気があるようです。
Bag'N Boardのサイズのラインナップ
Bag'N Boardのサイズ展開はSS、S、M、Lの4種類です。
ボードの厚みは共通で約6mmとなっており、床に直接エフェクターを並べるのとほぼ変わらない感覚でエフェクターを踏むことができます。
これが意外と重要で、すのこタイプのエフェクターボードは背が高いせいか、足を上げてエフェクターを踏むのに少し慣れが必要だったりするのですが、この薄いボードはその点で違和感がありません。
エフェクターボードの公称サイズ(縦×横幅)は、SSが21×29cm、Sが23×32cm、Mが30×38cm、Lが30×52cmとなっています。
SSサイズは実際に所有したことがないんですが、本当にMXRサイズのエフェクター3台並べたら終わりぐらいのサイズ感で、BOSSでも3台ギリギリ収まるみたいですね。
小型のパワーサプライなら押し込めるかもしれませんが、基本的には電池駆動派のための小型ボードになると思います。
Sサイズはこんな感じで使っていました。
横幅がSSより3cm広いですが、それよりも縦に2cm長いのが地味に重要で、たったそれだけで繋ぎっぱなしのアダプターや小さめのパワーサプライを収めるだけの余裕が生まれます。
(※運搬時の注意点として、中でアダプターがゴロゴロ転がるのを防ぐため、エフェクターだけでなくアダプターにもマジックテープを貼って中で固定できるようにするなどの工夫が必要です。)
Mサイズになると、やろうと思えば小さめのスイッチャーを入れることもできなくはないですし、エフェクターの大きさによっては前列・後列と二段構えでエフェクターを並べることも可能です。
そこまでやるなら拡張性を考えてLサイズにしてもいいかもしれません。
バッグンボード最大の欠点
付属ボードには、「サイズが大きくなるほどボード自体の劣化が早い」という欠点が出てきます。
バッグンボードに付属しているボードは、簡単に言うと薄いベニヤ板の表面に接着剤で布を貼り付け、外周を縫い付けただけのものです。
この布がマジックテープのメス側(フワフワの方)と同じ役割を果たしてくれるのですが、エフェクターを入れ替えたりするのに付け外ししていると、引っ張られることで板と布が剥がれてしまうことがあるうえ、外周を縫い付けられているので補修することもできないのです。
仕方がないことですが、サイズが大きいほど剥がれやすくなります。
Mサイズ以下ならそれなりに耐久性がありましたが、Lサイズになるとすぐに布の部分がベロンベロンになってしまいました。
(一時期、別売で木製のエフェクターボードも売られていましたが、これは既に生産されていないようです。)
【追記】
別記事でMサイズのボードの補修に挑戦、そして失敗したのでボードを自作してみました。


こちらはSサイズ。

かつて販売されていた類似品
何年か前までは、イシバシ楽器のオリジナルブランドであるMavisやSelvaにバッグンボードに似た製品があったのですが、どうやら現在は販売されていません。
イシバシのエフェクターソフトケースはサイズ展開が豊富で、最大サイズのものはバッグンボードのLサイズより大きく、しかもボードの中央部分で板と布が強固に縫い付けられており、非常に頑丈な作りだったのですが、残念ながら今では手に入らないようです。
そのイシバシ楽器で購入した大型のソフトケース型ボードを使っていた頃の写真が残っていました。
確かこれの横幅が60cmあって、バッグンボードのLより大きかったんですよね。
※余談ですが、当時は青いエフェクターでそろえるのがマイブームでした。
現在、バッグンボードは初期バージョンのEBB1から進化し、キャリーカートやスーツケースのハンドルに通せるEBB2に加え、リュックとして背負うことのできるEBB3、EBB4まで出ています。
ボードの耐久性の問題があるとはいえ、やはり豊富なサイズ展開は魅力ですし、ソフトケースのエフェクターケースとしては第一候補になるでしょう。
以前は黒以外のカラーリングはダサい感じ(黒地にオレンジのパイピングとか)だったのですが、最近の新色はなかなかセンスも良いですよ。
コメント