【エフェクターの昇圧】18Vのメリット・デメリット、9Vとの違い

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世の中には多くのエフェクターが存在しますが、中には一般的な9V駆動(四角い006P型乾電池ひとつぶんの電圧)ではなく、電源に18V等の高い電圧のアダプターが必要なものがあります。
また、9V仕様でありながら「18Vで使うといい音になる!」と言われているようなエフェクターも存在します。
これについて、ド文系で電気的な話がさっぱりな私ではありますが、実体験を交えつつ、エフェクターの駆動電圧による違いや注意点について書いてみます。

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大前提として

はじめに注意点。
何でもかんでも「18Vの方がいい音になる!」みたいなのは絶対ダメです。
ネット上でたまに「私は音質にこだわった結果、エフェクターは全て18Vで駆動しています!」というようなことを言う人を見かけることがありますが、これは真似してはいけません。
「高電圧こそ正義」みたいなことを言ってる人がいたら疑ってかかってください。

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昇圧するときの注意点

エフェクターを18Vで駆動するには、18Vの電圧が出力できるアダプターやパワーサプライ、あるいは9Vを18Vに変換する昇圧器が必要です。
(私が個人的に気に入っているのはこちら↓)

【レビュー】Otodel / DC Doubler DCU8
エフェクター用の9V電源を昇圧し、18Vでエフェクターを駆動するための昇圧器です。 そのような用途の製品は他のメーカーからも出ています。 しかし、色々と調べてみた結果、それらの類似製品よりも信頼性が高いと感じられたOtodelの製品を購...

ただ、本来エフェクターは本体や説明書に書いてある電圧で駆動するべきだという点は必ず踏まえておいてください。
例として、Darkglassの製品の一部は英語サイトのQ&Aページに記載されている通り、12Vや18Vで駆動しても問題ありませんが、それらの製品も含めて日本国内で流通している正規輸入品の説明書には「9V以外の電圧で駆動して故障した場合は保証対象外」と明記されており、保証期間内でも無償修理が受けられなくなるおそれがあります。
メーカーや輸入代理店が公式に認めていない電圧のアダプターやパワーサプライでの駆動にはそもそもリスクがあることは念頭に置いておきましょう。

(※今回は詳しく触れませんが、第4世代以前のワーミー等、一般的なAC-DCアダプターではなくAC-ACアダプターで駆動するものも一部あり、通常パワーサプライはこのようなエフェクターには使えません)

高電圧駆動したほうがいいもの

さて、この前提を踏まえたうえで、「18V等の高い電圧のアダプターで駆動しても大丈夫なことが分かっているエフェクター」があるとします。
これについて、では実際どうするのが一番いいのか?

まず当たり前ですが、「18Vアダプターを使えと書いてあるもの」はその通りにした方がいいです。

例えば、MXRの10バンドイコライザーはそもそも18Vで駆動する仕様になっています。
これに9Vのアダプターを繋ぐと、スライダーのLEDが点灯しなかったりするという問題だけでなく、音にも影響が出てきます。
私が実際に試した際には、(これはアダプターの品質が原因だった可能性もあるでしょうが)音のレンジが狭くなったような感じになり、高音域のエッジがやや弱くなったうえ、若干ノイズが増えたようにも感じられました。

【レビュー】MXR / M108 10Band Graphic EQ
MXRの10バンドのグラフィックイコライザー(グライコ)で、グライコ単体機としてはかなりの定番といえるのではないかと思います。 旧デザインの頃から含め、ベーシストのエフェクターボードに乗っているのを見ることも多いです。 電源はDC18V...

また、Electro HarmonixのQ-TRON(Microではなくデカい方)はなんと24V駆動ですが、楽器店での試奏の際に店員さんが間違えて普通の9Vのパワーサプライを繋いでしまったときにはコントロールがほとんど効かないという状態でした。
これらの「高電圧駆動がデフォルトになっているエフェクター」は、当然ながら指定通りの電圧で動かすべきです。

そういうものとは別に、「9V~18Vで駆動可能」というような、一定の範囲で駆動電圧に幅があるものもあります。
定番ベース用プリアンプのひとつであるHAOのBASS LINERを試した時は、9Vよりも18Vの方がよりレンジが広く、クリアな音質に感じられました。

最近買ったものだと、EBSのマルチコンプの最新型であるMULTICOMP BLUE LABELも9V~18V対応です。
9Vだとややダーティな音色で、「エフェクターでコンプをかけている」感が強いのに対し、18Vだと解像度の高いクリアな音になりました。

【レビュー】EBS / MultiComp Blue Label(最新型)
大定番ベース用コンプレッサー、マルコンことマルチコンプの最新バージョンです。 正直言います、あんまり買うつもりなかったのに良すぎて思わず買ってしまいました。 ベース用のコンプとして、非常に完成度が高いと思います。

好みにもよりますが、プリアンプやイコライザー、クリーンブースター、コンプレッサーといった「クリアな音質であることがよしとされるもの」に関しては、高電圧駆動が可能ならそちらが正解といえる場合が多いのではないかと思います。

高電圧駆動しないほうがいいもの

一方、高電圧駆動を避けるべきエフェクターもあります。

まず、デジタルエフェクターは「9V」と書いてあったら絶対に9Vで駆動しましょう。
デジタルエフェクターの分類については過去に書きましたが、リバーブやデジタルディレイ等はもちろん、タップテンポやプリセット、IRによるアンプシミュレーターといった補助的な機能を含めて、デジタル制御による何らかの機能を持つエフェクターは絶対に指定以上の高電圧で駆動してはいけません。
一発で故障する可能性もあります。

【考察】アナログエフェクターとデジタルエフェクターの違いとは
初心者時代から結構長い間、私は「エフェクターのアナログ・デジタルとは一体何なのか」がよく分かっていませんでした。 そこには、「アナログ」「デジタル」の定義が十分に整理されていないという問題が前提にあると思われるため、今回はそのへんについて...

また、アナログのエフェクターであっても、使っているパーツが高電圧に耐えられないということは珍しくありません。
有名なところでは、ギター用歪みエフェクターの名器として知られるKLONのCENTAUR(ケンタウルス)は、一部パーツの耐圧が低く、少し電圧が高いアダプターを使うだけで故障してしまう場合があることが知られていました。
このようなエフェクターも「9Vで使うべきもの」と言えるでしょう。

というか、これに限らず「試しに18Vのアダプターを繋いでみよう」という実験には常に故障のリスクがあり、知識なしに実行するべきではないと思います。
それで故障したらもちろん100%自己責任、メーカーの保証期間内でも修理費用は自腹です。

むしろ18Vより9V駆動のほうが良かったりするもの

逆に、低い電圧の方が良いと思えるものもあったりします。

例として適切か分かりませんが、エドワード・ヴァン・ヘイレンのアンプに関するエピソードをご存じでしょうか?
「ブラウンサウンド」と呼ばれる彼のディストーションの秘密は、昔は「アンプを高い電圧で駆動している」と長年言われていましたが、その話を聞いて実際に高電圧駆動を試したらアンプが故障したという話も多くありました。
実際には逆で、エディは既定の電圧よりも低い電圧でアンプを駆動しており、それによってあの特徴的な歪みサウンドを得ていたのです。

理屈は異なるのかもしれませんが、「9V~18Vで駆動できるディストーション」みたいなものを色々な電圧で鳴らしてみると、その感覚がなんとなく分かるような気がしてきます。
18Vで駆動すると、確かに音のエッジが明瞭になり、グッと存在感が出ます。
ハイファイというかオープンな音質になり、音の分離も良いです。

しかし、9Vの方が18Vよりもよく歪みます。
18Vのクリアな音質と引き換えに、9Vだと歪みがダーティになり、ミドルに寄ったコンプ感のある音になります。
その差が分かりやすい動画が意外とないんですが、これなんかは実際に体感できた違いに近いでしょうか(※イヤホン推奨 1:19~が9V、2:08~が18V)。

エフェクターによっては、さらに電圧を下げるとまた面白い効果が得られます。
ファズなんかだと、「電池が切れかけの時が一番いい音がする」なんていう人も多いです。
実際に9Vより低い電圧でファズを駆動すると、ファズ特有のブチブチ感がさらに増し、俗に言う「壊れたラジオみたいな音」感がさらに強調されます。

※なお、このような低い電圧が出せるパワーサプライは多くありません。
大定番のVOODOO LAB Pedal Power 2 Plusとか、それ以外で現在新品が正規に流通しているものだとMXRのM238 ISO-BRICK(ミニサイズではなく大きい方)ぐらいでしょうか。
こちらは6V~15Vが出せるアウトプットを備えているほか、18Vも出せるので便利です。↓

各通販サイトの価格はこちらからチェック↓

このように、高電圧でエフェクターを動かすことが常に良いとは限りません。
ネット上で「18Vの方が良い音がする」と言われているものであっても、メーカーが公式に認めていない限りは故障のリスクがあると考えた方がいいです。
短時間なら大丈夫でも、スタジオ等で長時間18Vで使ったら壊れた、という場合もあります(実際にあった)。

世の中にはそのような使い方で壊したにもかかわらず、「何もしていないのに壊れた」と嘘をついてメーカー保証の無償修理を依頼する人もいるようですが、そのような行為は当然許されません(ちなみに結構バレるらしいです)。
そのようなデメリットを踏まえてなお、エフェクターの9V以外での電圧に興味がある場合は、繰り返しになりますがあくまでも自己責任でやりましょう。

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