大定番ベース用コンプレッサー、マルコンことマルチコンプの最新バージョンです。
正直言います、あんまり買うつもりはなかったのに良すぎて思わず買ってしまいました。
ベース用のコンプとして、非常に完成度が高いと思います。
EBSの新製品
私が以前所有していた旧型のマルチコンプについては過去記事で書いていますので、全体的な説明はそちらに譲ります。

マルチコンプを含むEBSのエフェクター3機種が2019年に「ブルーラベル」シリーズとしてリニューアルされたことについても、前に別記事で詳しく書きました(ところでlabelって「ラベル」じゃなくて「レーベル」だよな代理店さんよ)。

私は正直、コンプ等の音質補正的なエフェクターには大したこだわりを持っていません。
このMultiComp Blue Labelも、ちょっと試しに試奏させてもらうだけのつもりでした。
しかし、これは本当に良いですよ。
マルチコンプのこれまで
最初に軽くマルチコンプの歴史を整理してみましょう。
まず、最初期のグレーの筐体のバージョンが発売されたのが1998年のことです。
これはなぜかジャック配置が左右逆で、ロシア製期のエレハモのように、インプットが左でアウトプットが右でした。
そして2000年に発売されたのが、一気に有名になったBlack Labelです。
当初はバッファードバイパスでしたが、2008年にはトゥルーバイパスに切り替わっています。
せいさんじきによっては「電池駆動なら大丈夫だけどアダプターを繋ぐとノイズが酷い」なんて言われていたものもあり、中古購入には注意が必要です。
その後、2015年には9V~12V駆動に対応したStudio Edition(SE)にリニューアルされました。
まあ生産国の変更とか、もっと細かいバージョン違いもあるのでしょうし、この発売年も正確でないかもしれませんが、おおよそ上記のような感じです。
その他、色違いの限定版やギター用の製品もありました。
旧型との違い
で、今回の2019年バージョンが、9V~18V駆動に対応したBlue Labelです。
デザインの変更や筐体の小型化など、変化した点は色々ありますが、最大の特徴はやはりSENS.ノブの追加による3ノブ化でしょう。
このSENS.はいわゆるスレッショルドのコントロールです。
コンプレッサーの「スレッショルド」は「設定した値より大きい信号が入力されたときにその音を圧縮する」という値なので、本来スレッショルドを上げるとコンプの効きは弱くなるのですが、このSENS.は「Sensitivity(感度)」という名の通り、時計回りで効きが強くなります。
また、SENS.は12時の位置で旧型機種と同じスレッショルド値になるそうで、センターにクリックがあります。
そして、旧モデルと同様、筐体側面にはアクティブとパッシブの切り替えスイッチがあります。
アクティブ等、出力の大きいベースを繋ぐと不用意に歪んでしまう場合がありますが、このスイッチを押し込んでアクティブ向けのモードにしておけば、クリアな音のままコンプをかけることができます。
なお、アクティブモードとして一般的にイメージされる「入力段階でゲインを小さくする」という仕組みであれば、アクティブスイッチONの時の方が音量が下がりそうですが、このスイッチは最終的にアウトプットレベルを上げるような回路構成になっているのか、アクティブモード時の方が音が大きくなります。
そして、18Vという高電圧駆動への対応も大きなポイントです。
エフェクターの高電圧駆動のメリット・デメリットについては当ブログでも以前に書きましたが、エフェクターの種類によっては「18Vより9Vの方が良い」と感じるパターンも珍しくありません。

しかし、この新型マルチコンプの18V駆動は完全に私の好みにハマりました。
私はもともと、人気の高いTUBESIMモードよりも、綺麗にかかるMB(マルチバンド)モードの方が好きだったのですが、特にそのMBモードにおいて、高電圧駆動で体感的に感じられる「ローノイズ・ワイドレンジ・音の分離が良い」という利点がフルに発揮されており、個人的な好みで言うと旧型より明らかに良いです。
逆に言えば、18Vの音は旧モデルのTUBESIMモードのブリッとした質感が好きな人には「ちょっと綺麗すぎる」と感じられてしまうかもしれないので、電圧は音の好みで選べばいいと思います。
(※18V駆動には18Vが出せるパワーサプライやアダプターが必要です)
最後にもう一点、内部トリマーの構成が変わりました。
旧バージョンでは、裏蓋を開けると「LO」「HI」の2つのトリマーがあり、低音域・高音域それぞれのスレッショルドを独立して調整することができました。
対するBlue Labelでは、全体のスレッショルドがSENS.ノブでコントロールできるようになったぶん内部トリマーは簡略化されて1つになり、「反時計回りで低音域に強く、高音域に弱くコンプがかかる」「時計回りで低音域に弱く、高音域に強くコンプがかかる」という仕組みに変わっています。
自分はパッシブの7弦フレットレスベースを使っていることもあって各弦の音量のバラつきが気になっており、出過ぎる低音域を抑えつつ高音域にはあまりコンプをかけたくないので、試行錯誤の結果、やや反時計回りのポジション(黄色の点の位置 ※画像加工による)になりました。
これに関してはこちらの動画が非常に分かりやすいです。
海外の動画を含め、ここまでしっかり解説されているものは見当たらないので必見です。
なお、この動画内でも触れられている通り、特に楽器を繋いで実際に音が鳴る状態でトリマーをいじる場合には、電気を通す金属製のドライバーは使わないようにしましょう。
また、トリマーは非常に繊細な部品で、回す際に強く押したり、回し過ぎたりすると簡単に壊れてしまうので、不安な方はあまり触らないほうがいいと思います。
調整はあくまでも自己責任でお願いします。
というわけで、まさに「正統進化版」と呼べるマルチコンプでした。
正直、長年ベースを弾いている人ほど「今更マルコンなあ…」と思ってしまうかもしれませんが、これは本当に良いです。
さらに、価格に関しても旧バージョンより安くなっていますので、今から買うなら旧機種よりもこのBlue Labelの方を強くおすすめしておきます。
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