デスメタルフレットレスベーシスト列伝

このブログのカテゴリー「ベーシスト紹介」では、エフェクターの使用に着目し、私が影響を受けたベーシストを「エフェクターベーシスト列伝」と称して紹介してきましたが、今回はちょっと脱線して番外編です。
私自身がデスメタルバンドでフレットレスベースを弾いていることもあり、個人的なメモを兼ねてエクストリームメタルの分野でフレットレスベースを弾くベーシストを紹介したいと思います。
デスメタルに興味がない方にも、フレットレスのアプローチのひとつとして参考になればと思います。

【※以下、アルバムタイトルのリンク先は基本的にAmazon、なければBandcamp】

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Steve Di Giorgio (DEATH, TESTAMENT etc.)

まずこの人は外せない、スティーヴ・ディジョルジオ
自身のバンドSADUSをはじめ多くのバンドで活躍し、TESTAMENTでもベーシストを務めていますが、伝説的デスメタルバンドであるDEATHでもその強烈すぎる存在感を発揮していました。
中でも「Individual Thought Patterns (1993)」ベースの音がやたらとデカく、うねりまくる独特のベースラインが迫ってくる必聴盤です。

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Sean Malone (CYNIC etc.)

私が大きな影響を受けたベーシストの一人がショーン・マローンです。
CYNICはプログレッシブデスメタルの歴史における超重要バンドと言えます。
こちらは1stアルバム「Focus (1993)」の冒頭を飾る名曲、唯一の来日となってしまった2015年のライブ映像から。

CYNICは1stアルバムリリース後に一度解散し、復活後はデスメタル要素が薄れていきますが、2ndの「Traced in Air (2008)」(※ベースを再録し、アダム“ノリー”ゲットグッドがミキシングを担当したリミックス盤「Traced in Air Remixed」も2019年にリリース)、3rdの「Kindly Bent to Free Us (2014)」いずれもベーシスト的に聴きどころの多いオススメ作品です。

あと個人的に外せないのが、Roadrunner Recordsの25周年記念プロジェクト、ROADRUNNER UNITEDのアルバム「The All-Star Sessions (2005)」に収録されたこちら。
TRIVIUMのマシュー・ヒーフィー(当時19歳!)がリーダーを務めたチームに招かれ、ブラックメタル曲「Dawn of a Golden Age」に参加しました。
この曲はボーカルがダニ・フィルス(CRADLE OF FILTH)、ドラムがマイク・スミス(SUFFOCATION)という、他ではありえないとんでもないメンバー編成です。

(2020年12月追記:CYNICのドラマーだったSean Reinertに続き、Sean Maloneまでもが50歳でこの世を去ってしまいました。RIP)

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Robin Zielhorst (ex-CYNIC, EXIVIOUS etc.)

ショーン不在時のCYNICを支えたオランダ人ベーシスト、ロビン・ジールホルストも紹介しておきたいと思います。

彼はテクニカルインストバンドEXIVIOUSのメンバーだったほか、NE OBLIVISCARISの「Urn (2017)」にサポートとして参加していました。

卓越したテクニックの持ち主なので、またデスメタルのシーンでも演奏してほしいですね。

Andy Marchini (ex-SADIST)

1990年代前半から活動するSADISTは、複雑怪奇な曲展開と、時に民族音楽をも想起させる独特のリズムアプローチが印象的なイタリアのバンド。
長年ベーシストであったアンディ・マルキーニは、近年の作品ではフレットレスベースをプレイすることも多く、「Hyaena (2015)」でそのサウンドを聴くことができます。

Dominic "Forest" Lapointe (FIRST FRAGMENT, AUGURY, ex-BEYOND CREATION etc.)

テクニカルデスメタルにおける超絶技巧のフレットレスベーシストといえば、カナダの名手ドミニク・ラポワントでしょう。
レフティの6弦フレットレスを用いた流麗なテクニックは必聴です。
BEYOND CREATIONの1stアルバム「The Aura (2012)」のインパクトはあまりに強烈でした。

そして、2016年から所属しているFIRST FRAGMENTのアルバム「Dasein (2016)」でも相変わらず弾きまくっています。

AUGURYではフレッテッドのベースも使用していると思われますが、2ndアルバム「Fragmentary Evidence (2009)」ではフレットレスによる特徴的なフレーズを聴くことができます。

Hugo Doyon-Karout (BEYOND CREATION, BROUGHT BY PAIN, EQUIPOISE etc.)

ドミニクの後任としてBEYOND CREATIONに加入したのがヒューゴ・ドイオン・カーラウトです。
一聴してそれと分かる癖の強いサウンドと確かなテクニックで、「Algorythm (2018)」のアンサンブルに彩りを与えました。

他にも、メンバーがほぼBEYOND CREATION関係者のBROUGHT BY PAINでは、EPとして「Crafted by Society (2016)」をリリース。

さらにEQUIPOISEにも参加し、1stアルバム「Demiurgus (2019)」がリリース。こちらも注目です。

Jeroen Paul Thesseling (OBSCURA, ex-PESTILENCE etc.)

オランダ人ベーシストヨルン・パウル・テセリンは、プログレッシブデスメタルの最重要バンドの一角として名を馳せたPESTILENCEに断続的に在籍していました。
デスメタルとシンセサウンドを融合させた一つの結実例として名高い「Spheres (1993)」において、ヌルヌルしたベースサウンドが楽曲のジャンルレス感をさらに高めています。

そして、彼を一躍有名にしたと言えるのが、ドイツのテクニカルデスメタルバンドOBSCURAの出世作となった2ndアルバム「Cosmogenesis (2009)」でしょう。
このアルバムの冒頭を飾ったベースイントロは、ごく短いフレーズながら鮮烈な印象を残しました。

※2020年4月、Linus Klausenitzer脱退に伴いOBSCURA再加入!

なお、同じ2020年になんとSADISTにも加入しています。

Linus Klausenitzer (OBSIDIOUS, ALKALOID, ex-OBSCURA etc.)

2011年、前述のヨルンが脱退したOBSCURAに後任として加入したのがリーヌス・クラウゼニツァーです。
5thアルバム「Diluvium (2018)」では、複雑化した楽曲の隙間を縫うようなフレーズを構築。

OBSCURAを2014年に脱退した元メンバーが在籍するALKALOIDでもベースを弾いており、「Liquid Anatomy (2018)」はスピードよりも重厚感で聴かせるダークな音楽性となっています。

なお、2020年4月、リーダーであるシュテフェン・クンメラー(Vo,G)一人を残し、他の全メンバーでOBSCURAを脱退した彼らは、新バンドOBSIDIOUSを結成。
難解なリズムとストレートな突進力を兼ね備えたサウンドに、意表を突いたクリーンボーカルをも導入し、OBSCURAとはまた異なる音楽性を見せています。

DisJorge (VIRULENCY)

ブルータルデスメタルからは、スペインのVIRULENCYのベーシスト…名前の読みはディスジョージでいいのだろうか?
Jorgeという名前はスペイン語読みだと「ジョージ」ではなく「ホルヘ」のはずですが、きっとDISGORGE(ディスゴージ)が好きなんでしょう。
初のフルアルバム「The Anthropodermic Manuscript of Retribution (2016)」では、残虐リフの嵐の中をフレットレスがヌルヌルと動き回っています。

Carlos Venegas (ex-CORPSE GARDEN)

個人的にかなり好きなバンド、コスタリカのCORPSE GARDEN。
そのベーシストだったのがカルロス・ヴェネガスなのですが、既に脱退し、後任のベーシストはどうやらフレットレスではないようです。
フィジカルでは1,000枚限定プレスで発売されたアルバム「Entheogen (2015)」は、現代的な攻撃性とオールドスクールな重苦しさが同居したハイレベルな作品でした。好きすぎてCDもTシャツも持ってます。

Luis Mora (FRACTAL ENTROPY)

メキシコのFRACTAL ENTROPYのベーシストがルイス・モラです。
2ndアルバム「Transcendens (2016)」では、90年代っぽさを感じさせる荒々しさとテクニカルな音使いが同居した楽曲に、フレットレスベースが絶妙なアクセントを添えています。

常旭(DEATHPACT)

中国のバンド、DEATHPACTもベースがフレットレス。複雑な楽曲構成とゴリ押し気質の突進力がせめぎ合うデスメタルバンドです。
ベーシストの常旭は以前はIbenezのベースを使っていたと思うのですが、最近はLe Fayのヘッドレス6弦フレットレスを使用しているようです。
1stフルアルバムとして「Reincarnation Of Asura Road (2018)」がリリースされています。

太輝 (DEVILOOF)

国産V系デスコアバンド、DEVIOOFのベーシストDAIKIもフレットレスを導入しています。
Steve Di Giorgioと同じThor Bassにオーダーした楽器を使っているところがポイント高いです。
デスコアの枠に収まらない多彩な音楽性を見せる2ndアルバム「鬼 (2019)」がリリースされました。

Patrick Leyn (PILE OF PRIESTS)

PILE OF PRIESTSはアメリカのデスメタルバンド。そのベーシストを務めるのがパトリック・リーンです。
恥ずかしながら最近まで知らなかったのですが、10年以上の活動歴があり、現時点の最新作としてセルフタイトル作「Pile of Priests (2020)」をリリースしています。
スラッシュメタルの影響を強く感じさせながらも時折モダンなリフワークが顔を覗かせる曲構成には、微妙にまとまりきっていない雰囲気も感じてしまうものの、時折コード弾きも交えて存在感を主張するベースを含め、ところどころにDEATH的な要素もありますね。
ちなみにAdamovicの6弦ベースを使っているようです。いいな。

Joe Lester (INTRONAUT)

デスメタルのカテゴリーではありませんが、現代エクストリームメタルの文脈にあるバントとして、Twitterで教えていただいたこちらをご紹介。
スラッジ的な要素もあるポストメタルバンドです。最新作として「Fluid Existential Inversions (2020)」がリリースされています。
ベーシストのジョー・レスターは、時期によっては右利き用のベースを逆向きに構えて演奏していますが、そのような見た目の要素は抜きに、デスメタル方面のベーシストとはまた異なる骨太なサウンドでもって浮遊感の演出に一役買っています。

以上、あくまでもベーシスト紹介ですので、長くなりすぎないよう省いたバンドもありますが、思ったより長文になってしまいました。
この記事の末尾に自分のバンドの曲を貼るのが個人的な目標ですが、そっちは気長に頑張ろうと思います。

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カテゴリー:ベーシスト紹介

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