このブログのカテゴリー「ベーシスト紹介」では、私が影響を受けたベーシストをエフェクターに着目して紹介してきましたが、今回は完全脱線の番外編です。
私自身がデスメタルバンドでフレットレスベースを弾いていますので、個人的なメモを兼ねてエクストリームメタルの分野でフレットレスをメインに弾くベーシストを紹介したいと思います。
デスメタルに興味がない方にも、フレットレスのアプローチのひとつとして参考になればと思います。
【※以下、アルバムタイトルのリンク先は基本的にAmazon、なければBandcamp】
- Steve Di Giorgio (DEATH, TESTAMENT etc.)
- Sean Malone (CYNIC etc.)
- Robin Zielhorst (ex-CYNIC, EXIVIOUS etc.)
- Andy Marchini (SADIST)
- Dominic "Forest" Lapointe (FIRST FRAGMENT, AUGURY, ex-BEYOND CREATION etc.)
- Hugo Doyon-Karout (BEYOND CREATION, BROUGHT BY PAIN, EQUIPOISE etc.)
- Jeroen Paul Thesseling (OBSCURA, ex-PESTILENCE etc.)
- Linus Klausenitzer (OBSIDIOUS, ALKALOID, ex-OBSCURA etc.)
- DisJorge (VIRULENCY)
- Carlos Venegas (ex-CORPSE GARDEN)
- Luis Mora (FRACTAL ENTROPY)
- 常旭(DEATHPACT)
- 太輝 (DEVILOOF)
Steve Di Giorgio (DEATH, TESTAMENT etc.)
まずこの人は外せない、スティーヴ・ディジョルジオ。
自身のバンドSADUSをはじめ多くのバンドで活躍し、TESTAMENTでもベーシストを務めていますが、伝説的デスメタルバンドであるDEATHでもその強烈すぎる存在感を発揮していました。
中でも「Individual Thought Patterns(1993)」はベースの音がやたらとデカく、うねりまくる独特のベースラインが迫ってくる必聴盤です。
Sean Malone (CYNIC etc.)
私が大きな影響を受けたベーシストの一人がショーン・マローンです。
CYNICはプログレッシブデスメタルの歴史における超重要バンドと言えます。
こちらは1stアルバム「Focus(1993)」の冒頭を飾る名曲。
CYNICはこの後一度解散し、復活後はデスメタル要素が薄れていきますが、2ndの「Traced in Air(2008)」(※ベースを再録し、Adam “Nolly” Getgoodがミキシングを担当したリミックス盤「Traced in Air Remixed」も2019年にリリース)、3rdの「Kindly Bent to Free Us(2014)」
いずれもベーシスト的に聴きどころの多いオススメ作品です。
あと個人的に外せないのが、Roadrunner Recordsの25周年記念プロジェクト、ROADRUNNER UNITEDのアルバム「The All-Star Sessions(2005)」に収録されたこちら。
TRIVIUMのMatthew Kiichi Heafy(ちなみにキイチは当時19歳!)がリーダーを務めたチームに招かれ、ブラックメタル曲でフレットレスを弾いていました。
(2020年12月追記:CYNICのドラマーだったSean Reinertに続き、Sean Maloneまでもが50歳でこの世を去ってしまいました。RIP)
Robin Zielhorst (ex-CYNIC, EXIVIOUS etc.)
ショーン不在時のCYNICを支えたオランダ人ベーシスト、ロビン・ジールホーストも紹介したいと思います。
テクニカルインストバンドEXIVIOUSのメンバーだったほか、NE OBLIVISCARISの「Urn(2017)」にサポート参加したりもしていましたが、現在はエクストリームメタルバンドでフレットレスを用いる活動はしていないようです。
今後の動向に注目したいです。
Andy Marchini (SADIST)
1990年代前半から活動するSADISTは、複雑怪奇な曲展開と、時に民族音楽をも想起させる独特のリズムアプローチが特徴的なイタリアのバンド。
ベーシストのアンディ・マルチーニは、近年の作品ではフレットレスベースをプレイすることも多く、「Hyaena(2015)」でそのサウンドを聴くことができます。
Dominic "Forest" Lapointe (FIRST FRAGMENT, AUGURY, ex-BEYOND CREATION etc.)
テクニカルデスメタルにおけるフレットレスの名手といえば、カナダの名手ドミニク・ラポワントでしょう。
レフティの6弦フレットレスを用いた流麗なテクニックは必聴です。
BEYOND CREATIONの1stアルバム「The Aura(2012)」のインパクトはあまりに強烈でした。
そして、2016年から所属しているFIRST FRAGMENTのアルバム「Dasein(2016)」でも相変わらず弾きまくっています。
AUGURYの近作ではフレッテッドのベースを使用しているようですが、2ndアルバム「Fragmentary Evidence(2009)」ではフレットレスによる特徴的なフレーズを聴くことができます。
Hugo Doyon-Karout (BEYOND CREATION, BROUGHT BY PAIN, EQUIPOISE etc.)
ドミニクの後任としてBEYOND CREATIONに加入したのがヒューゴ・ドイオン・カーラウトです。
やや癖の強い音作りですが、確かなテクニックで「Algorythm(2018)」のサウンドに彩りを与えました。
他にも、メンバーがほぼBEYOND CREATION関係者のBROUGHT BY PAINでは、EPとして「Crafted by Society(2016)」をリリース。
さらに、EQUIPOISEとしては1stアルバム「Demiurgus(2019)」がリリース、こちらも注目です。
Jeroen Paul Thesseling (OBSCURA, ex-PESTILENCE etc.)
オランダ人ベーシストイェロン・ポール・テーシュリンは、実験的なプログレッシブデスメタルバンドとして名を馳せたPESTILENCEが1994年に解散した際にベーシストとして在籍していました。
「Spheres(1993)」において、ヌルヌルしたベースラインで楽曲の不穏度を高めています。
そして、彼の参加作品として最も有名なのが、ドイツの人気テクニカルデスメタルバンドであるOBSCURAの名を知らしめた2ndアルバム「Cosmogenesis(2009)」でしょう。
このアルバムの冒頭を飾ったベースイントロは、ごく短いフレーズながら鮮烈な印象を残しました。
(※2020年4月追記:Linus Klausenitzer脱退に伴いOBSCURA再加入!)
Linus Klausenitzer (OBSIDIOUS, ALKALOID, ex-OBSCURA etc.)
前述のイェロンが脱退したOBSCURAに、後任として加入したベーシストがリーヌス・クラウゼニツァーです(※2020年4月追記:フロントマンSteffen Kummererを残して他の全メンバーとともに脱退、新バンドOBSIDIOUSを結成)。
5thアルバム「Diluvium(2018)」では、複雑化した楽曲の隙間を縫うようなフレーズを構築。
OBSCURAを2014年に脱退した元メンバーが在籍するバンド、ALKALOIDでもベースを弾いており、こちらの「Liquid Anatomy(2018)」はよりダークな音楽性となっています。
DisJorge (VIRULENCY)
ブルータルデスメタルからは、スペインのVIRULENCYのベーシスト…名前の読みはディスジョージでいいのだろうか?
Jorgeという名前はスペイン語読みだと「ジョージ」ではなく「ホルヘ」のはずですが、きっとDISGORGE(ディスゴージ)が好きなんでしょう。
初のフルアルバム「The Anthropodermic Manuscript of Retribution(2016)」では、残虐リフの嵐の中をフレットレスがヌルヌルと動き回っています。
Carlos Venegas (ex-CORPSE GARDEN)
個人的にかなり好きなバンド、コスタリカのCORPSE GARDEN。
そのベーシストだったのがカルロス・ヴェネガスなのですが、既に脱退し、後任のベーシストはどうやらフレットレスではないようです。
フィジカルでは1,000枚限定プレスで発売されたアルバム「Entheogen(2015)」は、攻撃性と重苦しさが同居したハイレベルな作品でした。好きすぎてCDもTシャツも持ってます。
Luis Mora (FRACTAL ENTROPY)
メキシコのFRACTAL ENTROPYのベーシストがルイス・モラです。
現時点の最新作である2ndアルバム「Transcendens(2016)」では、オールドスクールな荒々しさとテクニカルな音使いが同居した楽曲に絶妙なアクセントを添えています。
常旭(DEATHPACT)
中国のテクニカルデスメタルバンド、DEATHPACTもベースがフレットレス。複雑な楽曲構成と突進力が同居するバンドです。
ベーシストの常旭は以前はIbenezのベースを使っていたと思うのですが、最近はLe Fayのヘッドレス6弦フレットレスを使用しているようです。
1stフルアルバムとして「Reincarnation Of Asura Road(2018)」がリリースされています。
太輝 (DEVILOOF)
国産V系デスコアバンド、DEVIOOFのベーシストDAIKIもフレットレスを導入しています。
Steve Di Giorgioと同じThor Bassにオーダーした楽器を使っているところがポイント高いです。
デスコアの枠に収まらない多彩な音楽性を見せる2ndアルバム「鬼(2019)」がリリースされました。
以上、あくまでもベーシスト紹介ですので、長くなりすぎないよう省いたバンドもありますが、思ったより長文になってしまいました。
この記事の末尾に自分のバンドの曲を貼るのが個人的な目標ですが、そっちは気長に頑張ろうと思います。
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