ギター用のディストーションです。
なんとなく興味本位で試奏したところ、初めて体験する音色に驚き、思わず買ってしまいました。
電池駆動は不可。
LeqtiqueとL'
L'(エル)は、Shun Nokina DesignやLeqtiqueで知られるエフェクタービルダー、Shun Nokina氏によるエフェクターブランドの1つです。
ミニサイズのオリジナル筐体を採用し、Leqtiqueの製造工程を見直すことにより安価に流通させることを可能としたシリーズとのことです。
で、この9/9はブランド始動当時、最もハイゲインだった歪みです。
(※その後、Leqtiqueブランドから販売されたさらにハイゲインなモデル、10/10もL'のラインナップに追加。)
私はギター用の歪みエフェクターにはあまり詳しくなく、恥ずかしながら音の違いを聴き分ける能力も低いため、ギターに繋いだのを聴いた時は正直「よくあるハイゲインディストーションとそこまで違うかなあ?」などと思っていました。
しかしこれ、ベースに繋ぐと他のディストーションとは全く別物であることがよく分かります。
深く歪ませても不思議と音が濁らないのです。
タイトでソリッド、「透明感」とか「高解像度」という言葉を使いたくなる感じの音です。
コントロールの特徴
コントロールは、Volume、Gain、Bottom、Trebleの4つ。
Gainは最小で既に歪んでおり、上げていくと音のエッジを保ったまま、さらに強烈に歪んでいきます。
Bottomは低音域のコントロールですが、ベースで言うとローより少し上、ローミッドあたりに効く感じ。
ギター用歪みだけあってONにすると低音が軽くなるのですが、ベースに使うときにBottomを上げすぎるとボソッとした音になってしまうので、あまりブーストしない方がよさそうです。
Trebleが高音域のコントロールで、ガキッというアタックの部分に効きます。
これは全開近くにしたほうが歪みの効果が分かりやすくて好みでした。
よくあるディストーションとの違い
ディストーションですから当然ジャキジャキした音になりますが、不思議と音が潰れない。
ドライミックス機能はなく、間違いなく全帯域で歪んでいるのですが、なぜか高音域だけが歪んでいるようにも聞こえます。
言葉で説明するのが難しいですが、とにかく「こんな斬新な歪み方があるのか!」と驚きました。
ベースで弾いている動画はなかったので、L'から発売された最初の4機種をギターで弾いている動画を。
9/9は3:20から登場。
他のエフェクターの演奏を含めて見ても、ベーシスト的にはやっぱりそこまで特殊な音には感じないですが、ベースにかけたらもう本当にびっくりします。
ギター用歪みということもあり、低音の量感は削がれますが、それを含めて何か新しい音作りに繋げることができそうな、不思議なエフェクターでした。
既存の歪みエフェクターとはかけ離れた異質な音なので好みは分かれるでしょうが、この音を気に入るベーシストはいると思います。
そういえば知らないうちにベースマガジンで「ベースに使えるギターエフェクター」的なコーナーが始まってまして、最新号ではLeqtiqueのCLHDが紹介されていました。
Shun Nokina氏によるエフェクターはいずれも内部コンポーネンツに並々ならぬこだわりがあるようなので、他にもベースで試すと予想外の効果が得られるものがあるかもしれません。
L'からリリースされている製品は価格も高くないですし、一度試してみる価値はあるのではないでしょうか。
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