【ベース改造】フレットレスのLuminlayフル装備 & サイドドット位置変更

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高性能な蓄光素材で作られた、「Luminlay(ルミンレイ)」という指板インレイ・ポジションマークの材料がありますが、私はこれまで、このLuminlayのベース指板への取り付けを何度か自分で行っています。
基本的にはプロに頼んだほうが間違いないものだと思っているので、自分でやってみたい人向けの指南というより、失敗談を含む事例紹介として読んでいただければと思います。
毎度のことですが楽器改造はあくまでも自己責任でお願いします。

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Luminlayとは

一応Luminlayについて紹介しておくと、これは楽器用に販売されている、日本発の高輝度蓄光素材です。
最近では楽器のカスタムオーダーやリペアショップのメニューに組み込まれていることも多く、海外メーカーの楽器にも採用されています。
個人でもオフィシャルサイトから購入することが可能です。

私はこのLuminlayを、製品が出たばかりの2012年ごろから何度か購入してきました。
当初は何か買うとサンプルとして別の製品をおまけしてくれたり、何度目かの注文の時にはLEDライトチャージャーまでつけてくれたのですが、最近はさすがにそんなことは全く無いようで、注文した分だけが届きます。

こちらがそのライトチャージャーで光をためた直後の状態を撮影したオフィシャルの動画です。
当然ずっとこんなに光っているわけではないですが、蓄光直後は本当にびっくりするほど光ります。
(しばらく直射日光に当てるのが一番手軽です。)

蓄光シール等とは異なり、無加工で手軽に取り付けるものではないので、自力で取り付けるには多少ハードルが高いですが、その性能は折り紙つきです。

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今回使ったもの

私が手持ちのフレットレスベースに使用したのは、6mm径トップポジション・0.58mm厚フレットライン・3mm径サイドドットの3種類です。

カラーはブルーとグリーンの2種類ありますが、持続時間(長く光る)で選ぶならブルー、最大輝度(より明るく光る)で選ぶならグリーン、とされています。
とはいえ、いずれもそのへんの蓄光素材と比べるとかなりしっかり光るので、カラーは好みで選べばいいと思います。
個人的には、グリーンのほうがナチュラルカラーの楽器への馴染みが良いと感じるので、現在はグリーンの方を使用しています。

フレットラインの厚みは0.5mmと0.58mmの2種類ですが、これはラインが太い方が視認性が高いのと、分厚いほうがネックの順反りに対し少しでも反発する方向に働くのでは?と考え、0.58mmをチョイスしました。
(※現行品は0.5mmと0.6mmの2種類になっているようです)

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作業工程

以下、前に書いたフレットレス化改造とあわせてお読みいただければと思います。

【ベース改造】特殊工具を使わずフレットレス化加工
エレキベースをフレットレス化する改造に興味があるベーシストは多いと思いますが、リペアショップに頼むと高いですし、「自分でやってみよう」とネットで情報を調べても妙にハイレベルなものが多く、ハードルが高く感じます。 そこで今回は、「雑な仕上がり...

ということで、フレットは既に抜いたものとして話を進めます。
(写真があまり残っていないので文章中心ですがご了承ください。)

ポジションマーク

まずは指板表面の6mm径ポジションマークから。
指板表面のドットインレイは、中央に細いドリルで穴を開けていくと、一定程度掘ったところでバキッと貫通します。
手動のハンドドリルだとかなり大変なので、作業には電動ドリルを使用するのがおすすめです。

こちらは以前所有していた別のベースでの写真ですが、こんな感じで外れます。
(樹脂製のものはスポッと外れてくれることが多いですが、貝素材のものは大概バキバキに割れてしまいます。)

元のインレイを除去したら、インレイの直径と同じ太さ(今回の場合は6mm)のドリルで穴をさらって綺麗にしておくと後の作業が楽です。
なお、現在使用しているベースでは、作業の効率化のために最初から6mmのドリルで一気に削るという荒い手段をとりました。
この場合、最初に刃先をきっちりポジションマークの中心に合わせないと悲惨なことになるので、ドリルの位置決めには細心の注意が必要(先にど真ん中に軽く下穴を開けておくべき)ですが、作業自体はかなり短時間で済みます。

元のインレイよりも大きいLuminlayを入れたい場合は、この時点でドリルで穴のサイズを拡張しておけばよいでしょう。
ただし、Luminlayに限らずポジションマークの素材の厚みは2mm程度なので、穴を必要以上に深く掘ってしまわないよう注意しましょう。

穴が綺麗になったら、Luminlayのポジションマークを埋めていきますが、私はよくある小さなゼリー状瞬間接着剤を使いました(少量ずつ出るので作業がしやすい)。
作業に慣れるまでは接着剤をつけすぎてしまいがちですが、接着剤ははみ出すと処理が面倒なので、思ったより少量つけるだけで足ります。
指板に埋め込んだら、木片を当て木にして上からハンマーで軽く叩いてあげれば、ほぼ問題なくぴっちり埋め込めると思います。

フレットライン

一番の問題がフレットラインです。
というのも、Luminlayのフレットライン素材は本当に扱いが難しいです。
ここだけでもプロに任せるのがいいかもしれません。
なんせ、商品ページにも記載されているように材料の75%が加工の中で廃棄されるというぐらいもろい素材なんですよね。

その薄板を、フレットを抜いた溝の底面のRに合わせて加工し(自分はカッターナイフで曲線状に傷をつけ、ニッパーで不要部分を少しずつ割りながら取りました)、接着剤をつけて溝に埋めていきます。
当て木の上からごく軽い力で少しずつ叩いても割れるときは割れるんですが、最終的に溝の中で接着剤でくっつけば粗は目立たないので、もし割れてしまっても落ち着いて埋め込み作業を続けましょう。
そして、最終的にはみ出したフレットラインを端から少しずつニッパーで切り落としていき、ヤスリで凹凸をならしたのですが、こちらの画像を拡大いただくと、白い丸印のところ、はみ出した部分を切り落とす際に想定以上に一気にバキッと割れてしまい、フレットラインが指板表面ツライチより下になってしまったのが分かるでしょうか。

まあこれは演奏には支障ありませんし、そのうち指板修正でもすることになれば多少マシになるかもしれませんが、それだけ慎重さが要求される作業なのです。
これは面倒を覚悟で最初からヤスリで削っていくのが正解だと思います。

ちなみにこのフレットライン材、横幅83mmのものが12枚(1~12フレット用)と、横幅95mmのものが12枚(13~24フレット用)というセットです。
一般的な5弦ベースぐらいまでなら余裕ですが、ワイドピッチの6弦ベースなんかだと横幅が微妙に足りないということがありえます。

私の7弦ベースの場合、ネックの幅は12フレットで85mm、24フレットで96mmあるので、ギリギリ幅が足りません。
が、長さが足りないところにはローポジションで使ったフレットラインの余りを継ぎ足して接着することで、見た目の上ではほとんど違和感なく仕上げることができました。
さらに指板が広い場合や25フレット以上ある楽器の場合等も、メールで問い合わせれば「枚数の追加」「95mmの方を多めに」等の購入に対応いただけるようです(当然アップチャージの発生により価格は高くなります)。

サイドドット

最後に指板サイドのポジションマークですが、元々の2mm径のドットはダイソーで買ったハンドドリルを使い、穴を開ける要領で除去しました。
なお、ポジションマークは当然大きいほうが視認性が良いですが、指板の厚さも考慮する必要があります。
また、サイズが大きくなるほど加工の難易度も上がるので、DIYでやるなら2.5mmか3mmぐらいまでがおすすめです。

元々のマークと同じ位置にそのままLuminlayを埋め込むのであれば、最初から3mmのドリルで穴を開けてもいいんですが、私は個人的にフレットレスのサイドポジションはフレットラインと同じ位置にあった方がいい派なので、元のポジションマークの穴は埋めてしまいました。
穴埋めの方法として、「指板材の削りカスと接着剤を混ぜて埋める」あるいは「塗装で目立たないようにする」といった方法もあるようですが、とにかく簡単に済ませたかったので、2mm径の茶色い木材の丸棒として見つけた帆船模型の素材として売られているウォルナットの丸棒で穴を埋めました。

そして、フレットラインの真横に3mmの穴を開けてLuminlayのドットを埋め込み、ニッパーでカット。
はみ出した部分を紙やすりで削れば完了です。
この写真だと元々の穴が少し明るい色に写ってしまいましたが、実際に楽器を構えて見ると全く気になりません(作業の雑さはさておき)

注意点

私の場合はフレットレスなうえ、オイルフィニッシュ系のナチュラル塗装だったので、何も考えずに指板表面・指板サイドとも紙ヤスリでガーッと削り、あとからXOTICのOIL GELを塗るだけで済ませましたが、塗装によってはポジションマークの周囲を丁寧にマスキングしたうえ、幅の細いヤスリで根気よく削るという大変な作業になるでしょう。
また、フレットがある状態での作業となれば、さらに難易度は上がると思います。

というわけで「Luminlayのフル装備加工は大変だったよ!」と言いたいだけの記事でした。
なお、指板をある程度平らな状態に削り、埋め込んだLuminlayの凸凹をなくす程度なら素人作業でも可能ですが、前回も書いたとおり、指板修正(すり合わせ)はプロに任せた方が無難でしょう。
初めて自分でフレットレスにして、弦を張って音を出したときの音詰まりの酷さは忘れられません。

ちなみに、私のIbanez BTB747はゼロフレット仕様でしたので、元々0フレットがあった位置にナットを移設するという加工をあわせてリペアショップに依頼しました。

以上、手間も時間もお金もかかりますし、フレットラインが光るのに関しては「ダサい」という意見もあるようですが、実際のところ演奏性は大幅に向上しますので、フレッテッドのベースをフレットレスに改造する際の素材選定としては選択肢の一つになると思います。

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