【自作】高さ調整可能な木製フィンガーランプ

多くのベーシストが使用し、もはやベース改造の定番となったフィンガーランプ
しかし、ピックアップの間にぴったり収まるサイズのものは基本的にワンオフで制作する必要があるため、リペアショップ等で頼むと結構な金額になってしまいます。
そこで今回は、私が自作したお手軽フィンガーランプについて紹介したいと思います。

スポンサーリンク

フィンガーランプの概要

フィンガーランプとは何か?という話は既に説明不要でしょうか。
解説するにせよ、文章で書くよりもまずはパイオニアであるGary Willisの動画を見てもらうのが一番手っ取り早いのではないかと思います。
(Ibanezから彼の最初のシグネチャーモデルが発売されたのが1999年、もう20年前ですが、彼自身もランプがこんなに普及するとは思ってなかったのでは?)

よくある説明は、「弦とボディの間に厚みのある木の板を設置することにより、指弾きの際にピッキングの指が深く入りすぎるのを防ぐ」というものです。
弦を振り抜いた指はすぐにランプに当たって止まるので、一般的なアポヤンド奏法(弦を弾いた指が隣の弦に当たって止まる)よりも短い距離で指の動きを制御できることから、「音の粒が揃う」あるいは「テクニカルな奏法や速いパッセージが弾きやすくなる」というのがメリットとして言われています。

逆にデメリットとして、「指を振り抜く幅を大きく取った演奏ができないので、音色や強弱がコントロールしにくくなる」という意見もあるようです。
私個人としては主に右手親指が変に深く入らないようにするためのストッパーとして使っており、また最低音弦を弾くときのフィンガーレスト(指置き)にもなるので、ランプは欠かせないです。

スポンサーリンク

高さ調整の仕組み

さて、自作にあたっての前提として、タイトルの通り私のランプは高さ調節が可能です。
その代わりネジ留めが必須となり、ボディに穴を開ける必要があります。
どういう仕組みかというとこんな感じ。この写真では分かりやすいように高さを上げています。

バネ(これはFender系ギター用のピックアップマウントスプリングを流用)を介してネジ留めすることで、ネジの締め込み具合により高さの微調整ができます。
これは私が過去に所有していた楽器を含む、いくつかのベースで見た機構を真似たものです。
なお、表面に指板と同じRをつけて曲面に加工してあるランプも多いですが、私のベースの指板Rはフラットに近い緩いもので、そのうえ前述の通りランプは主に親指の置き場として使っているので、ランプの表面にRをつける加工は申し訳程度にしかしていません。

スポンサーリンク

どんな木材を使うか

ではまず材料選定です。
よく聞くのが木のはがきを材料に用いるという方法です。
これは5mm程度の厚みがある一枚板の葉書で、東急ハンズなんかでも売っているので比較的入手しやすいですし、銘木店でネット通販していたりもします。

ただ、前回のピックガード製作の記事にも書いた通り、厚さ5mm程度の木材は製材後に割れたり、大きく反ってしまったりする可能性があり、そのリスクを排除するには木目が縦横になるように2枚貼り合わせるといった工夫が必要になります。

【自作】カーリーメイプル風ウッドピックガード
美しい木目の、いわゆる銘木を使った楽器のパーツはハイエンド系を中心にときどき見かけます。 あれを自分で作るとなると、一枚板は高価ですし、加工も簡単ではないので素人にはなかなか手が出せないと思います。 そこで今回は、私が製作したなんちゃっ...

とは言うものの、木のはがきを2枚重ねしてしまうと厚みが1cmにもなるので、楽器によっては薄くするために削る必要が出てくるんですよね。
これは「素人でもできる簡単DIY楽器改造」を目指す私にとっては難易度が高すぎるので、もっと薄い銘木の板を探しました。

で、一番ちょうどよかったのがギターのヘッド用の化粧板です。
今回はアイチ木材加工さんのウェブショップで、2mm厚のエボニーとローズウッドを購入しました。
これなら貼り合わせても厚みは4mmです。

【※追記】
4mmでは強度が足りなかったのか、このあと1年半ほど経った頃に反りが発生してしまったため、2020年現在は3枚張り合わせて6mm厚のものになっています。

作業工程

さて、作業に入る前にまずサイズを考えなくてはいけません。
フロントピックアップとリアピックアップの間に収まるように作る場合が多いと思いますが、問題は横幅です。
デザイン的にはピックアップと同じ幅にしておくのが楽ですが、最低音弦を弾くときのフィンガーレストとして使うことを考えると、ピッキング時に親指を置く位置において、弦間ピッチとおおよそ同じ幅が取れるようにしておくのがおすすめです。

サイズを決めたら、透明のプラバンか何かで実際のランプと同寸のテンプレートを作っておくといいでしょう。
途中で失敗して作り直すはめになっても、一からサイズを測りなおす必要がありません。

そして、そのテンプレートより少し大きいぐらいのサイズになるように板を切り出したのがこの状態です。
硬質な木材の加工は大変ですが、厚さ2mm程度なら私が素人工作に愛用しているOLFAのクラフトのこで十分切れます。
今回はエボニーを表にすることにしましたが、横幅が足りなかったので、エボニーの方は切断したものを貼り合わせます。

こうやって板を重ねてランプを作るメリットって強度以外にもあって、小さいサイズで売ってる一枚板って縦長のものが多いんですよね。
そういう材でランプを作るとだいたい木目が弦と交差する方向に走っちゃうんで見た目が好みじゃないんですが、このように合板にすれば、木目が弦に平行に走る(=ネックやボディと木目の方向が揃う)ように作ることができます(伝わるかな?)。

表のエボニーはぴっちり合わさるように、切断後がんばって直線に削ったつもりだったんですが、やや隙間ができてしまいました。
まあこれは後の研磨工程で多少ごまかしが効くのでいいことにします。

続いては研磨。
ホームセンターでセット売りされている紙やすりを買ってきて、荒目→中目→細目と徐々に番手を上げながら研磨していきます。
周囲も最初に作ったテンプレートに合わせて削り、サイズを微調整していきます。

研磨の終盤からは毎度おなじみXOTICのOIL GELを使い、油研ぎの要領で磨き上げ、最終的に1000番のサンドペーパーで磨くと、いい感じにツヤが出ました。
継ぎ目が見えますが、木の削りかすとOIL GELが隙間で固まっているので、指で触っても段差は全くありません。

あとはドリルでネジ穴を開ければ作業はほぼ完了ですが、ネジの頭が納まるよう、いわゆる皿もみをしなくてはいけません。
これはちゃんと皿もみ用のドリル(面取りカッター)で削るべきでしょう。
私のようにケチって普通の電動ドリルで浅く削ろうとすると、仕上がりが汚くなりますし、思わぬ欠けが発生して後悔するはめになります(失敗した)。

とまあ荒い部分はありますが、最終的にバネを通して長めのステンレスネジで留めれば一応完成です。
好みの木目の板が見つからなければ、前回のピックガードのように、合板に突き板を貼り付けて作るという手もありでしょう。
私は完成度よりもとにかく安く楽しく自作するをモットーにしていますが、木工経験と工具をしっかり揃えた人なら、もっとクオリティの高いものが作れるのではないかと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました